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学習支援計画書(シラバス) 検索システム
専門教育課程 電気電子工学科(2018年度入学〜)
授業科目区分 科目名 単位数 科目コード 開講時期 履修方法
専門教育課程
専門科目
専門
物性工学
Solid State Physics
2 E619-01 2023年度
4期(後学期)
修学規程第4条を参照
担当教員名
*印は、実務経験のある教員を示しています。
授業科目の学習・教育目標
キーワード 学習・教育目標
1.量子論の基礎 2.バンド理論 3.電気伝導 4.物質の誘電的性質 5.磁性体 電気エネルギー・制御技術とそれを支える材料・デバイスに関する基礎知識を修得し、それ らを具体的に活用できるための電子デバイス,レーザなどの光エレクトロニクス分野の材料 物性に関する幅広い基礎を学習する。具体的には,これまでに学んだ物理と数学の知識を基 に量子力学の基礎,バンド理論,電界や磁界が存在している物質中での電子の挙動について 理解する。さらに,物質の電気的特性・誘電的特性・磁気的特性および光学的特性を原子・ 分子レベルのミクロな視点から理解する。(関連する学習・教育目標:L)
授業の概要および学習上の助言
授業では、以下の内容について学ぶ。 (1)結晶構造、格子振動、固体の熱的性質、古典的な電子伝導モデル (2)量子力学の基礎 (3)固体のエネルギーバンド理論 (4)半導体、固体の光学的性質 (5)誘電体 (6)磁性体 (7)超伝導体、固体の量子効果
教科書および参考書・リザーブドブック
教科書:新版 電子物性[森北出版株式会社] 参考書:指定なし リザーブドブック:指定なし
履修に必要な予備知識や技能
多くの学生は、他の科目と比較して、やや難しく感じるだろう。それは、これまでに学んだ経験がない全く新しい物理学(量 子力学)を勉強するからでしょう。しかし、物事の本質を理解する「量子現象の基礎」の理解が進むと、非常に魅力的な科目と 感じると思います。本科目を学習する上で重要なことは、これまでに学んだ物理学(古典物理学)と数学を確実に理解(習得 )していることです。そして、①疑問をもつ、②数式を自分で導出する、③数式の意味および現象を物理的に理解することです 。
学生が達成すべき行動目標
No. 学科教育目標
(記号表記)
L シュレーディンガーの波動方程式を理解し、実際に使うことができる。
L 原子,分子そして結晶状態のエネルギー準位の変化、および、固体におけるバンド形成を説明できる。
L バンド理論を用いて、導体、半導体、および、絶縁体の違いを説明できる。
L 結晶内の電子の運動について、ドルーデ理論、移動度、緩和時間、有効質量などを用いて説明できる。
L 双極子モーメントと各種誘電分極のミクロな現象(機構)、および、誘電分散と誘電損失について説明できる。
L 磁気モーメントを用いて物質における磁性の起源と磁化について説明でき、各種の磁性体について説明できる。
達成度評価
評価方法
試験 クイズ
小テスト
レポート 成果発表
(口頭・実技)
作品 ポートフォリオ その他 合計
総合評価割合 40 40 20 0 0 0 0 100
指標と評価割合 総合評価割合 40 40 20 0 0 0 0 100
総合力指標 知識を取り込む力 20 20 5 0 0 0 0 45
思考・推論・創造する力 10 10 5 0 0 0 0 25
コラボレーションと
リーダーシップ
0 0 0 0 0 0 0 0
発表・表現・伝達する力 0 0 5 0 0 0 0 5
学習に取組む姿勢・意欲 10 10 5 0 0 0 0 25
※総合力指標で示す数値内訳、授業運営上のおおよその目安を示したものです。
評価の要点
評価方法 行動目標 評価の実施方法と注意点
試験 試験(40%)の評価: 達成度を確認するための試験を実施する。
クイズ
小テスト
小テスト(40%)の評価: 出題範囲を決めて小テストを実施する。小テストでは、提出されたレポー トの理解度を確認する問題も出題する場合がある。また、授業中に予告なく、小テストを実施する場合が ある
レポート レポート(20%)の評価: 演習問題に関するレポートの内容、数式の導出についての課題のレポートの 内容及び理解度確認の結果をもって評価する。
成果発表
(口頭・実技)
作品
ポートフォリオ
その他
具体的な達成の目安
理想的な達成レベルの目安 標準的な達成レベルの目安
電子物性を説明するために量子力学がどのように役立っている かを理解し、シュレーディンガー波動方程式の適用例を学び、 水素原子の解を求め、波動関数、軌道及び電子のエネルギー準 位について説明できる。結晶の結合力を理解して、電子の取り うるエネルギー準位からバンド理論を説明できる。結晶内の電 子の運動について、バンド図を使って説明できる。さらに、温 度による電気伝導の変化について、電子の散乱現象や状態密度 分布関数の変化などにより説明できる。誘電体における誘電分 散と誘電損失についてデバイの分散式を導出し説明できる。誘 電体中の局所電界について、ローレンツ電界、および、クラウ ジウス・モソッティの式より説明できる。なぜ強磁性が生じる かについてミクロな観点から理論的に説明できる。 材料の電子物性における量子力学の必要性を理解すると共に、 シュレーディンガー波動方程式を水素原子に適用して得られる 電子の波動関数、軌道(配置)及びエネルギー準位を説明でき る。結晶において電子の取り得るエネルギー準位からバンド理 論を説明できる。バンド理論を用いて、導体・半導体・絶縁体 における電気伝導の違いを説明できる。結晶中の電子の運動に ついて古典的な考え方(ドルーデ理論)とはどのようなものであ り、量子論的な考え方との違いを説明できる。各種の誘電分極 の機構について、電気双極子モーメントと誘電分散との関係か ら説明できる。物質の磁性の起源について磁気モーメントから 説明でき、各種の磁性体の特徴を説明できる。
CLIP学習プロセスについて
一般に、授業あるいは課外での学習では:「知識などを取り込む」→「知識などをいろいろな角度から、場合によってはチーム活動として、考え、推論し、創造する」→「修得した内容を表現、発表、伝達する」→「総合的に評価を受ける、GoodWork!」:のようなプロセス(一部あるいは全体)を繰り返し行いながら、応用力のある知識やスキルを身につけていくことが重要です。このような学習プロセスを大事に行動してください。
※学習課題の時間欄には、指定された学習課題に要する標準的な時間を記載してあります。日々の自学自習時間全体としては、各授業に応じた時間(例えば2単位科目の場合、予習2時間・復習2時間/週)を取るよう努めてください。詳しくは教員の指導に従って下さい。
授業明細
回数 学習内容 授業の運営方法 学習課題 予習・復習 時間:分※
1 <教科書第1章>  結晶の結合力(イオン結合、共有結合、金属結合)、 代表的な結晶構造などについて学ぶ 講義と質疑 予習・復習 予復習 200
2 <教科書第2・3章>  結晶における格子振動、固体の比熱、熱伝導について 学ぶ 講義と質疑 予習・復習 予復習 200
3 <教科書第4章> 固体内の電子の動き(古典的電子伝導モデル)につい て学ぶ 講義と質疑 予習・復習 予復習 200
4 <教科書第5章> 量子力学の基礎(粒子性と波動性、不確定性原理、シ ュレーディンガー波動方程式、井戸型ポテンシャル、 水素原子など)について学ぶ 講義と質疑 予習・復習 予復習 200
5 第5章までの範囲の理解力のチェック(小テスト含む ) 小テスト、講義、質疑、 予習・復習 予復習 200
6 小テストの返却と振り返り <教科書第6章> 固体のエネルギーバンド理論(金属の自由電子モデル 、フェルミ・ディラック分布、金属の電子密度分布と フェルミレベル)を学ぶ 振り返り、講義と質疑 予習・復習 予復習 200
7 <教科書第6章> 固体のエネルギーバンド理論(クローニッヒ・ペニー のモデル、結晶内における電子の運動、金属・半導体 ・絶縁体のバンド構造)を学ぶ 講義と質疑 予習・復習 予復習 200
8 <教科書第7章> 半導体(真性半導体、不純物半導体、ホール効果、ダ イオードとトランジスタ)を学ぶ 講義と質疑 予習・復習 予復習 200
9 <教科書第8章> 固体の光学的性質(光の吸収と反射、光導電効果、太 陽電池、半導体レーザ)を学ぶ 講義と質疑 予習・復習 予復習 200
10 第6章〜第8章までの理解度をチェックする (小テストの実施も含む) 講義と質疑、小テスト 予習・復習 予復習 200
11 小テストの返却と振り返り <教科書第9章> 誘電体(誘電体と分極、局所電界、電気分極の機構、 誘電分散)を学ぶ 講義と質疑、振り返り 予習・復習 予復習 200
12 <教科書第10章> 磁性体(磁化率と透磁率、磁性の起源、磁性体の分類 とそれらの応用)を学ぶ 講義と質疑 予習・復習 予復習 200
13 <教科書第11・12章> 超伝導体(超伝導現象、超伝導材料と応用など)、固 体の量子効果(量子井戸構造、超格子)を学ぶ。 講義と質疑 予習・復習 予復習 200
14 これまでの授業内容の理解度をチェックする(達成度 試験含む) 講義と質疑、達成度試験 予習・復習 予復習 200
15 達成度試験の返却、振り返り、自己点検 振り返り、自己点検 予習・復習 予復習 200