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学習支援計画書(シラバス) 検索システム
専門教育課程 情報工学科
授業科目区分 科目名 単位数 科目コード 開講時期 履修方法
専門教育課程
専門科目
専門
分散システム
Distributed Object Oriented Systems
2 E521-01 2024年度
5期(前学期)
修学規程第4条を参照
担当教員名
*印は、実務経験のある教員を示しています。
授業科目の学習・教育目標
キーワード 学習・教育目標
1.分散処理 2.クラウドコンピューティング 3.仮想化 4.ネットワークアーキテクチャ 5.セキュリティ 分散システムはコンピュータとネットワークの両者を統合化するための技術であり、本来1 台単独で動いていたコンピュータをネットワークで結び付けようとするものである。本授業 では、分散システム習得のために必要な計算機アーキテクチャ、プロセス、クライアントサ ーバ、通信、名前付け、時計と同期、フォールトトレラント性、セキュリティを重点に学習 を行う。
授業の概要および学習上の助言
各授業回の前に,事前学習コンテンツの確認とその知識習得の確認問題を必ず実施した上で、その週の講義を受講するように して頂きます。各授業回では、事前学習コンテンツを理解していることを前提として、応用問題を授業内で解いていくことを 主眼におきます。また、従来からあるような、教科書で講義をし、後で学生がその一部を筆記試験で再現できるかどうか確認 するような達成度確認テストは行いません。
教科書および参考書・リザーブドブック
教科書:分散システム 第2版[共立出版] 参考書:Distributed Systems 4th edition[https://www.distributed-systems.net/index.php/books/ds4/] リザーブドブック:指定なし
履修に必要な予備知識や技能
「プログラミング」関連と「情報ネットワーク」を履習していること. 上に挙げたすべての内容を網羅するのではなく,必要に応じて取捨選択して解説する. さらに,可能であれば,グループワークになって課題を解くことと,そのプレゼンテーションも行う.
学生が達成すべき行動目標
No. 学科教育目標
(記号表記)
K,N,Q データや処理を分散させる必要性・その利点を理解している.
K,N,Q 分散システムに関する各種要素技術について理解している.
達成度評価
評価方法
試験 クイズ
小テスト
レポート 成果発表
(口頭・実技)
作品 ポートフォリオ その他 合計
総合評価割合 0 30 30 40 0 0 0 100
指標と評価割合 総合評価割合 0 30 30 40 0 0 0 100
総合力指標 知識を取り込む力 0 30 20 20 0 0 0 70
思考・推論・創造する力 0 0 0 0 0 0 0 0
コラボレーションと
リーダーシップ
0 0 0 0 0 0 0 0
発表・表現・伝達する力 0 0 10 0 0 0 0 10
学習に取組む姿勢・意欲 0 0 0 20 0 0 0 20
※総合力指標で示す数値内訳、授業運営上のおおよその目安を示したものです。
評価の要点
評価方法 行動目標 評価の実施方法と注意点
試験
クイズ
小テスト
授業参加前の事前学習資料(または配信ビデオ)を見た上でWEB上での筆記試験を行う.これを行うことが 授業への参加条件となる。
レポート レポートにて,修得した知識・技術を表現する能力,応用力,学習態度を確認する.
成果発表
(口頭・実技)
4,5人で1チームとなり、各自で分散システムに関連した課題に学期間を通じて取り組む。
作品
ポートフォリオ
その他
具体的な達成の目安
理想的な達成レベルの目安 標準的な達成レベルの目安
15週間以内に以下のことができるようになります。 1. 分散型コンピュータシステムの分野における特定の開発の 技術的な利点を分析することができる。 2. 既存の科学的・工学的な知識を用いて、システム分析を実 証することができる。 3. 問題を明確に説明できる態度をさらに身につける。フィー ドバックの質を高める。 4.分析した内容を明確にプレゼンやレポートにまとめる。 5. 他人の実証された分析を評価する。 15週間以内に以下のことができるようになります。 1. 分散型システムの分野における技術的な利点を説明するこ とができる。 2. 既存の科学的・工学的な知識を用いて、システム分析の方 法を説明できる。 3. 問題を明確に説明できる。 4.分析した内容をプレゼンやレポートにまとめられる。 5. 他人の実証された分析を理解できる。
CLIP学習プロセスについて
一般に、授業あるいは課外での学習では:「知識などを取り込む」→「知識などをいろいろな角度から、場合によってはチーム活動として、考え、推論し、創造する」→「修得した内容を表現、発表、伝達する」→「総合的に評価を受ける、GoodWork!」:のようなプロセス(一部あるいは全体)を繰り返し行いながら、応用力のある知識やスキルを身につけていくことが重要です。このような学習プロセスを大事に行動してください。
※学習課題の時間欄には、指定された学習課題に要する標準的な時間を記載してあります。日々の自学自習時間全体としては、各授業に応じた時間(例えば2単位科目の場合、予習2時間・復習2時間/週)を取るよう努めてください。詳しくは教員の指導に従って下さい。
授業明細
回数 学習内容 授業の運営方法 学習課題 予習・復習 時間:分※
1 1. 授業オリエンテーション 2. 分散システムに関する事例紹介 3. 教員紹介。 4. 授業の進め方の説明 講義形式で実施する。 2回目の事前学習コンテンツの予 習と時間外WEBテストの受講 180
2 1.分散システムの概要 分散システムがどのようなものであり,集中システム に比べ優れている点はどこかを取り上げる.また,分 散システムに求められる特性,その構築における制約 について学習する. 1-1 分散システムの定義 1-2 目的 1-3 分散透過性 1-4 開放性 1-5 分散システムの制約 -講義・授業内容の説明 -チーム活動を実施する -授業エッセイ 次回の事前学習コンテンツの予習 と時間外WEBテストの受講 180
3 2.分散システムの種類 分散システムは,いくつかの種類に分類される.それ らが,どのような目的を持つものであるのか,その構 成,構成のされ方にどのような違いがあるかを学習す る. 2.1 分散コンピューティングシステム 2.2 分散情報システム 2.3 パーベイシブシステム -講義・授業内容の説明 -チーム活動を実施する -授業エッセイ 次回の事前学習コンテンツの予習 と時間外WEBテストの受講 180
4 3.通信 分散システムの構成要素間でデータをやり取りする基 本的な参照モデルと基本機能について学習する. 3.1 ネットワークアーキテクチャ基本技術 3.2 OSI参照モデルと基本機能 3.3 TCP/IP参照モデルと基本機能 3.4 遠隔手続き呼び出し -講義・授業内容の説明 -チーム活動を実施する -授業エッセイ - 次回の事前学習コンテンツの予 習と時間外WEBテストの受講 - 時間外でのチーム活動 180
5 4.名前付け 分散システムにおける名前付けの一般的な課題につい て学習した後,名前付けに関する主要な方法について 学習する.さらにエンティティが持つ属性に基づく, 属性ベースの名前付けについて学習する. 4.1 名前・アドレス・識別子 4.2 フラットな名前付け 4.3 階層化された名前付け 4.4 属性ベースの名前付け 4.5 名前付けに関する最近の動向 -講義・授業内容の説明 -チーム活動を実施する -授業エッセイ - 次回の事前学習コンテンツの予 習と時間外WEBテストの受講 - 時間外でのチーム活動 180
6 5.アーキテクチャ 分散システムの設計思想や基本設計などの基本設計概 念を学習する.アーキテクチャの違いにより,その中 身や実装,実装の方法が異なる事を学習する. 5.1 アーキテクチャ型 5.2 システムアーキテクチャ -講義・授業内容の説明 -チーム活動を実施する -授業エッセイ -復習1(授業内容の理解) -復習2(第 5回講義の課題) -予習1(教科書 6章の理解) 180
7 6.プロセス 分散システムにおける処理の実行単位であるプロセス やスレッドといった処理の実行の側から分散処理のと らえ方を学習する. 6.1 プロセスとスレッド 6.2 仮想化 6.3 コードマイグレーション -講義・授業内容の説明 -チーム活動を実施する -授業エッセイ - 次回の事前学習コンテンツの予 習と時間外WEBテストの受講 - 時間外でのチーム活動 180
8 7.クライアントサーバ クライアントとサーバの双方に対して,いくつかの観 点から,その分類・特徴を学習する.さらに,異なる ノード上で動作するプロセス間の通信方法として使用 されるソケット通信を取り上げる. 7.1 クライアント 7.2 サーバ 7.3 遠隔手続き呼び出し -講義・授業内容の説明 -チーム活動を実施する -授業エッセイ - 次回の事前学習コンテンツの予 習と時間外WEBテストの受講 - 時間外でのチーム活動 180
9 8.時計と同期 分散システム内で同じ時刻を告げる時計の必要性と, 分散システムにおける時刻合わせについて学習する. さらに,同期の概念を理解し,セマフォを用いた同期 について学習する. 8.1 時計の必要性 8.2 時計に求められる要件 8.3 時刻合わせ 8.4 同期 8.5 セマフォと同期 -講義・授業内容の説明 -チーム活動を実施する -授業エッセイ - 次回の事前学習コンテンツの予 習と時間外WEBテストの受講 - 時間外でのチーム活動 180
10 9.フォールトトレラント性 分散システムにフォールトトレラント性を導入するた めの基盤概念および基礎技術について学習を行う.こ れにより,分散システム全体としてサービスの提供を 継続させることを可能にする技術が理解できる. 9.1 フォールトトレラント性の導入 9.2 プロセスの回復力 9.3 高信頼クライアントサーバ間通信 9.4 高信頼グループ間通信 9.5 分散コミット 9.6 回復 -講義・授業内容の説明 -チーム活動を実施する -授業エッセイ - 次回の事前学習コンテンツの予 習と時間外WEBテストの受講 - 時間外でのチーム活動 180
11 10. セキュリティ セキュアな分散システムを構築するための基盤技術で ある暗号技術,認証技術,通信手段,アクセス制御に ついて学習する. 10.1 情報セキュリティの特性 10.2 暗号 10.3 セキュアな通信路 10.4 アクセス制御 10.5 セキュリティ管理 -講義・授業内容の説明(70分 ) -小テスト・クイズの実施(30 分) - 次回の事前学習コンテンツの予 習と時間外WEBテストの受講 - 時間外でのチーム活動) 180
12 11.分散ファイルとオブジェクト 集中型のファイルシステムと比較した分散ファイルシ ステムのメリットとデメリットを理解し,分散ファイ ルシステムの各種技術について学習する. 11.1 分散ファイルシステムアーキテクチャ 11.2 分散ファイルシステム 11.3 分散オブジェクト技術 - 次回の事前学習コンテンツ の予習と時間外WEBテストの 受講 - 時間外でのチーム活動) -復習1(授業内容の理解) -復習2(第 11回講義の課題) -予習1(教科書 12章の理解) 180
13 12.分散 WEB システム 代表的な分散処理技術の応用事例として,分散 WEB システムを学習する.具体的には,基本的な仕組みに 加え,ネットワークを介して情報を参照するための機 能配置,広域・大域の情報を取り扱うために発生する 負荷を軽減するための工夫,コラボレーションへの発 展について学習する. 12.1 歴史 12.2 システム形態 12.3 動作の仕組み 12.4 HTTP 12.5 実用化のための工夫 12.6 コラボレーションへの発展 - 時間外でのチーム活動 -復習1(授業内容の理解) -復習2(第 12回講義の課題) 180
14 これまでの学習のまとめを行う. -講義・授業内容の説明・自 己点検 -プレゼンテーション - 時間外でのチーム活動 180
15 これまでの学習のまとめを行う. -講義・授業内容の説明・自 己点検 -プレゼンテーション - 時間外でのチーム活動 180
16 授業の振り返りを行う. その後、自己点検授業を行う. -講義 -自己点検 (20分) - 時間外でのチーム活動 180