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学習支援計画書(シラバス) 検索システム
修学基礎教育課程 
授業科目区分 科目名 単位数 科目コード 開講時期 履修方法
修学基礎教育課程
人間形成基礎科目
技術者倫理
科学技術者倫理
Science and Engineering Ethics
2 G013-01 2024年度
5期(前学期)
6期(後学期)
修学規程第4条を参照
担当教員名
*印は、実務経験のある教員を示しています。
授業科目の学習・教育目標
キーワード 学習・教育目標
1.科学技術者が共有する価値 2.専門職倫理と倫理綱領 3.グローバル社会の中の技術者 4.倫理的意思決定の方法 5.社会の中の科学技術 本科目の目的は、科学技術がグローバル化の進む今日の社会および環境に与える影響につい て考察し、科学技術の目的・役割と社会との相互作用についての理解を深めることである。 また、科学技術者が専門職として担う倫理的・社会的責任を検討する。さらに、実務を行う 上で直面する倫理的な問題を検討し、それらを解決する問題解決能力の向上を図る。以上の 学習を通して、「科学技術者倫理」が単に規範の遵守ではなく、価値のバランスを取りなが ら「自らがなすべき行動を設計する」という創造的な知的営みであることを学ぶ。
授業の概要および学習上の助言
1. 概要説明および本科目と既習科目および大学の教育目的との関係に関する解説 2. なぜ、今、科学技術者の倫理が問われているのか 3. 科学技術者の倫理とは何か/科学技術者が特別の責任を負う理由 4. 科学技術者が意思決定を迫られる状況 5. 科学技術者が重視すべき価値とは何か:専門職集団と倫理綱領 6. 科学技術者としていかに行動すべきか:倫理的問題解決の方法 7. 組織のなかの科学技術者:企業倫理と科学技術者倫理 8. 事例の検討(ケーススタディ):現実の事例を題材 9. 事例の検討(ケースメソッド):仮想事例などを通して討議 10. グローバル社会における科学技術者の役割 11. 科学技術者の新しい役割と科学技術者倫理 12. 各専門領域における倫理的問題や事例の検討 ・新聞などで報道される科学技術に関わる事件などを科学技術者の倫理の観点から分析する姿勢を持つこと。 ・不明な用語などは、辞書・事典・インターネットなどを使って調べておくこと。 ・第三者的・評論家的に講義に参加するのではなく、科学技術を担う「当事者」として、「道徳的行為者」としての自覚を持 ちながら、講義で提示される問題を自分ならどうするかという観点で考えること。
教科書および参考書・リザーブドブック
教科書:本質から考え行動する科学技術者倫理[白桃書房] 参考書:指定なし リザーブドブック:指定なし
履修に必要な予備知識や技能
・2年次の「日本学」および「技術者と持続可能社会」の講義内容と深く関連しているので、復習しておくこと。 ・グループディスカッションを行うので、これまでの経験を踏まえて、建設的な議論を進めることができるようにしておくこ と。 ・この科目では、将来の科学技術を担う者として現代社会と科学技術の関係を考察するため、新聞をしっかり読んで政治、経 済、文化、科学技術などの動向に常に関心を払い、自分の問題として考える態度を身に付けておくこと。
学生が達成すべき行動目標
No. 学科教育目標
(記号表記)
B 科学技術と人間社会の在り方(経済活動を含む)との相互作用について、具体的な例を挙げながら説明できる
B 科学技術者が専門職として実務を行う上で担う責任や共有すべき価値(安全など)について理解し、これを他者に説明できる
B 倫理綱領についての知識を持つとともに、企業などが組織として行う倫理対策について説明できる
B 倫理的ジレンマを疑似体験し、その問題点を分析するとともに自分の経験や事実関係の調査と関連づけながら考察できる
B セブン・ステップ・ガイドなどの倫理的問題解決の方法について理解し、これらの方法を具体的な事例において適用できる
B 本科目の学習教育目標と本学の教育目的・目標、さらに科学技術者が持つべき資質・能力との関係を理解し、自己点検できる
達成度評価
評価方法
試験 クイズ
小テスト
レポート 成果発表
(口頭・実技)
作品 ポートフォリオ その他 合計
総合評価割合 25 15 30 15 0 5 10 100
指標と評価割合 総合評価割合 25 15 30 15 0 5 10 100
総合力指標 知識を取り込む力 10 7 10 0 0 0 0 27
思考・推論・創造する力 10 8 10 5 0 0 0 33
コラボレーションと
リーダーシップ
0 0 0 5 0 0 0 5
発表・表現・伝達する力 5 0 5 5 0 0 0 15
学習に取組む姿勢・意欲 0 0 5 0 0 5 10 20
※総合力指標で示す数値内訳、授業運営上のおおよその目安を示したものです。
評価の要点
評価方法 行動目標 評価の実施方法と注意点
試験 ・達成度を確認する試験を第14回の時間中に実施する。総合評価に占める割合は25%。  受験しない場合は単位を認めない。
クイズ
小テスト
・科目での達成度の指標とするため、授業で検討するケースの倫理的問題構造などを分析する課題、倫理 綱領に関する課題、企業倫理プログラムに関する課題を、それぞれ実施(提出)する。
レポート ・本科目の受講を経て倫理的分析能力がどのように変化したかを確認する課題を実施(提出)する。 ・グループ討議で検討するケースに関して、倫理的な問題の認識、分析能力、倫理的問題解決方法、具体 的事例への適応能力等を総合的に問う課題を実施する。 ・科学技術の専門家として求められる価値観について考察する課題を実施(提出)する。
成果発表
(口頭・実技)
・数名のグループを作り、討議を行い、倫理的なジレンマを擬似体験することを通じて、倫理的な問題の 存在と種類を分析し、道徳的行為者として、エシックステストなどを適切に用いた問題解決方法を確認し 、結果を報告する。
作品
ポートフォリオ ・本科目と、本学の教育・学習目標との関連について自己点検する記述式の課題を適時に実施(提出)す る(本学のポートフォリオシステムを利用)。
その他 ・グループ討議には積極的に参加すること。グループ討議への貢献度を相互に評価する。 ・本科目は毎回の講義への積極的参加を前提としているので、正当な理由のない遅刻や欠席などは減点す る。 ・本科目の授業内容を鑑みて、不正行為には十分に注意すること(自ら不正を、不正とみなされることを 含めて行わない事は無論、不正をそそのかしたり、看過したりもしないこと)。これらに該当すると判断 された場合は、厳重に対処する。
具体的な達成の目安
理想的な達成レベルの目安 標準的な達成レベルの目安
・科学技術者として直面する可能性のある倫理的な問題の存在 と種類について、具体例を挙げながら十分説明できる。 ・倫理的な想像力、倫理的問題を認識し分析する能力、責任感 を向上させる必要性などを、説得力をもって他者に説明できる 。 ・倫理綱領とそこに含まれる価値観について、および企業など が組織として行う倫理対策について具体的に説明できる。 ・倫理的ジレンマの疑似体験から得たことを、自分の経験や考 え方と関連づけながら、建設的に考察することができる。 ・エシックステストなどの倫理的問題解決の方法について理解 し、これらの方法を具体的な事例において十分適用できる。 ・科学技術に関する倫理的な問題の存在と種類について説明で きる。 ・倫理的な想像力、倫理的問題を認識し分析する能力、責任感 を向上させる必要性などを説明できる。 ・倫理綱領についての知識を持つとともに、企業などが組織そ して行う倫理対策について説明できる。 ・倫理綱領とそこに含まれる価値観について、および企業など が組織として行う倫理対策について説明できる。 ・倫理的ジレンマを疑似体験し、そこから得たことを自分の経 験や考え方と関連づけながら考察することができる。 ・エシックステストなどの倫理的問題解決の方法について理解 し、これらの方法を具体的な事例において適用できる。
CLIP学習プロセスについて
一般に、授業あるいは課外での学習では:「知識などを取り込む」→「知識などをいろいろな角度から、場合によってはチーム活動として、考え、推論し、創造する」→「修得した内容を表現、発表、伝達する」→「総合的に評価を受ける、GoodWork!」:のようなプロセス(一部あるいは全体)を繰り返し行いながら、応用力のある知識やスキルを身につけていくことが重要です。このような学習プロセスを大事に行動してください。
※学習課題の時間欄には、指定された学習課題に要する標準的な時間を記載してあります。日々の自学自習時間全体としては、各授業に応じた時間(例えば2単位科目の場合、予習2時間・復習2時間/週)を取るよう努めてください。詳しくは教員の指導に従って下さい。
授業明細
回数 学習内容 授業の運営方法 学習課題 予習・復習 時間:分※
第1回 ※第1〜2回では、本科目への導入として、第2回まで の「学習内容」の事項について、講義やグループ討議 などを通して検討・考察する。 ・科目の目的・目標、内容、課題、評価方法などに関 する解説 ・本学の教育目的・目標との関連に関する解説 ・既習科目との関連についての解説 ・PCを用いた講義 ・グループ討議 ・討議結果の発表 など ・復習:初回配布資料や本科目「 学習支援計画書」などの熟読 ・次回に向けた予習:事例分析な ど 50 150
第2回 (続き) ・直面する可能性のある倫理的問題に関する具体例 ・セブン・ステップ・ガイドの概説 他 ・PCを用いた講義 ・グループ討議 ・討議結果の発表 など ・復習:第1〜2回で学んだことに ついての考察の深化 ・次回に向けた予習:教科書の精 読 100 100
第3回 ※現実に起きた事例をベースに倫理的考察や意思決定 に必要な概念や用語などの解説を行う ・PCを用いた講義 ・関連する視聴覚教材の視聴 ・演習 など ・復習:授業で検討した事例の考 察の深化 ・次回に向けた予習:教科書の精 読 100 100
第4回 ※技術者としていかに行動すべきか ・倫理的問題解決の方法 ・エシックステストおよびセブン・ステップ・ガイド に関する詳細解説 ・セブン・ステップ・ガイドを用いた演習 ・PCを用いた講義 ・関連する視聴覚教材の視聴 やグループ討議を行うことも ある ・演習 ・復習:セブン・ステップ・ガイ ドを使った事例分析の練習 ・次回に向けた予習:次回の授業 で検討する事例の概要の把握 100 100
第5回 ※第5〜6回では、ケースメソッド事例に関するグルー プ討議を経て、第7回の「学習内容」に挙げてある事 項についての考察を行う ・グループ討議 ・PCを用いた講義 ・与えられた事例に関するグ ループ討議 ・復習・次回に向けた予習:討議 内容についてのさらなる検討 150
第6回 ・グループ討議(続き) ・討議結果の発表 ・PCを用いた講義 ・与えられた事例に関するグ ループ討議 ・討議結果の発表 など ・復習:授業内で行った事例に関 する考察の深化 ・次回に向けた予習:教科書の精 読 150 100
第7回 ※技術者としていかに行動すべきか ※優れた意思決定がもたらすもの ・PCを用いた講義 ・関連する視聴覚教材を視聴 することもある ・復習:倫理綱領についての考察 の深化 ・次回に向けた予習:教科書の精 読 120 80
第8回 ※なぜ、科学技術者倫理が求められているのか ・PCを用いた講義 ・関連する視聴覚教材を視聴 することもある ・復習:企業の倫理的取組みにつ いての考察の深化 ・次回に向けた予習:教科書の精 読 120 80
第9回 ※第9〜10回では、ケースメソッド事例に関するグル ープ討議を経て、第11〜12回の「学習内容」に挙げて ある事項についての考察を行う ・グループ討議 ・PCを用いた講義 ・与えられた事例に関するグ ループ討議 ・復習・次回に向けた予習:討議 内容についてのさらなる検討 150
第10回 ・グループ討議(続き) ・討議結果の発表 ・PCを用いた講義 ・与えられた事例に関するグ ループ討議 ・討議結果の発表 など ・復習:授業内で行った事例に関 する考察の深化 ・次回に向けた予習:教科書の精 読 150 100
第11回 ※Reflection (専門分野特有の問題に関する志向倫理的検討など) ・PCを用いた講義 ・関連する視聴覚教材の聴講 など ・復習:授業内で行った事例に関 する考察の深化 ・次回に向けた予習:教科書の精 読 100 100
第12回 ※高度技術社会における技術者の新しい役割 ・PCを用いた講義・演習 ・関連する視聴覚教材の聴講 など ・復習:教科書の精読 ・次回に向けた予習:科学技術の 専門家として求められる価値観に 関する考察 100 100
第13回 ※本質から考え行動する科学技術者倫理 ・PCを用いた講義 ・復習:これまでの授業内容の振 り返り 200
第14回 ※これまでの授業の要点解説と達成度確認 ・これまでの授業の要点解説 ・達成度確認試験の実施 ・予習:試験の準備 ・復習:これまでの授業内容の振 り返り ・次回に向けた予習:ポートフォ リオを用いた振り返り 100 100 60
第15回 ※まとめと自己点検 ・PCを用いた講義(成績概要 の説明など) ・授業アンケートへの回答 ・教科書での授業全体の復習 140