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専門教育課程 機械工学科
授業科目区分 科目名 単位数 科目コード 開講時期 履修方法
専門教育課程
専門科目
専門
材料科学Ⅰ
Materials Science I
2 E011-01 2024年度
3期(前学期)
修学規程第4条を参照
担当教員名
*印は、実務経験のある教員を示しています。
授業科目の学習・教育目標
キーワード 学習・教育目標
1.鉄鋼材料 2.非鉄金属材料 3.高分子材料 4.組織制御 5.材料評価試験 工業製品は高性能・高機能化が追求されると同時に,環境に対する様々な配慮が求められて いる.工業製品の根幹を支える材料の物理的・化学的性質は,材料の内部構造と密接に結び ついているので,新たな工業製品を生み出すには材料の本質を理解する必要がある.本科目 では,工業材料の全体像を概観するとともに,構造と物理的・化学的性質の関係の基礎,材 料の特性評価法を学習する.
授業の概要および学習上の助言
授業の運営方法などについては担当教員から具体的な説明があるが,概要は次のようになっている. ・機械材料の分類 金属材料,プラスチック,セラミックスの特徴. ・物質の成り立ち ・結晶の幾何学 ・材料の理論強度と転位 単結晶の分解せん断応力,転位と変形 ・材料の塑性変形 ・材料評価法 引張試験と応力―ひずみ線図,硬さ試験 ・金属の状態変化 関数電卓はかならず使用するので、各自が持参するとともに、その使用法は事前に修得しておくこと. なお,学習課題に示す内容の習得度,理解度,応用能力の確認は,授業中のクイズ,小テストなどで適宜行う.
教科書および参考書・リザーブドブック
教科書:図解 機械材料 第3版[東京電機大学出版局] 参考書:指定なし リザーブドブック:入門・金属材料の組織と性質[大河出版]
履修に必要な予備知識や技能
三角関数,指数関数,対数関数,ベクトルについての基本を理解しておく必要がある. また,材料とかかわりの深い炭素, マグネシウム,アルミニウム,チタン,鉄,銅,などの元素記号を記憶しておくと授業内容の理解に役立つ.物質の構造に関 しては,高校で学習する化学の知識を有していることが望ましい.これらの内容について第1回目の授業までに各自よく復習 ・整理しておくこと.
学生が達成すべき行動目標
No. 学科教育目標
(記号表記)
J,K 金属材料,プラスチック,セラミックス等の基本特性を説明できる.
D,J,K 結合の種類,特徴,具体例を説明できる.
D,J,K 結晶の幾何学(特にブラベー格子とミラー指数)を説明できる.
D,J,K 弾性変形と塑性変形の違いを材料学的に説明できる.
D,J,K 基本的な材料評価試験法を説明できる.
D,J,K 平衡状態図と相形成との関係を説明できる.
達成度評価
評価方法
試験 クイズ
小テスト
レポート 成果発表
(口頭・実技)
作品 ポートフォリオ その他 合計
総合評価割合 30 55 10 0 0 0 5 100
指標と評価割合 総合評価割合 30 55 10 0 0 0 5 100
総合力指標 知識を取り込む力 25 45 5 0 0 0 0 75
思考・推論・創造する力 5 10 2 0 0 0 0 17
コラボレーションと
リーダーシップ
0 0 0 0 0 0 0 0
発表・表現・伝達する力 0 0 2 0 0 0 0 2
学習に取組む姿勢・意欲 0 0 1 0 0 0 5 6
※総合力指標で示す数値内訳、授業運営上のおおよその目安を示したものです。
評価の要点
評価方法 行動目標 評価の実施方法と注意点
試験 学期末に達成度確認試験を実施する. 講義ノート,演習問題,教科書等で十分復習し,OHなどを利用して疑問点の解消に努めなければいけな い.試験範囲等についての詳細は授業の中で伝達する.学生証は必ず持参し,提示すること(提示がない 場合は採点対象となりません).
クイズ
小テスト
小テストは3回実施する. 基本的には講義内容の区切り毎に行う.講義ノート,演習問題,配布資料,教科書等で復習し,OHなど を利用して疑問点の解消に努めなければいけない.試験範囲等についての詳細は授業の中で伝達する.学 生証は必ず持参し,提示すること(提示がない場合は採点対象となりません).
レポート 今後の開発が期待される材料の特性とその適用分野などについて,ビデオの視聴,専門用語の調査,など を課し,これに基づいたレポート課題を提示する.具体的なレポート課題の内容と提出(授業-第15回 の開始時に提出することを基本とする)などは,授業の中で伝達する.
成果発表
(口頭・実技)
作品
ポートフォリオ
その他 小テストの自己採点の後に自己点検レポートを作成・提出し,今後の学習計画を立案する.
具体的な達成の目安
理想的な達成レベルの目安 標準的な達成レベルの目安
①代表的な実用材料の特徴と具体的な用途例の関連を説明でき る. ②③代表的な純物質の結晶構造とそれによって発現する物理的 及び化学的な特徴を説明できる. ④弾性変形あるいは塑性変形によって引起される現象(例えば ,すべり変形,双晶変形)を結晶学的観点から説明できる. ⑤目的に応じた材料評価試験方法を提案できる. ⑥平衡状態図を使って,特定の点での相の割合と形成されてい る組織を説明できる. (文章中の番号は学生の行動目標の番号に対応しています) ①代表的な実用材料の種類の記号,物性値(ヤング率,融点, など)を説明できる. ②代表的な純物質の結合の種類,特徴を説明できる. ③面及び方向の図示方法を説明できる. ④軟鋼の応力―ひずみ線図を使って,変形の過程を説明できる . ⑤引張試験,硬さ試験などの材料試験法と試験データの整理法 を説明できる. ⑥平衡状態図中に現れる特徴的な点(融点,共晶点,共析点な ど)を説明できる. (文章中の番号は学生の行動目標の番号に対応しています)
CLIP学習プロセスについて
一般に、授業あるいは課外での学習では:「知識などを取り込む」→「知識などをいろいろな角度から、場合によってはチーム活動として、考え、推論し、創造する」→「修得した内容を表現、発表、伝達する」→「総合的に評価を受ける、GoodWork!」:のようなプロセス(一部あるいは全体)を繰り返し行いながら、応用力のある知識やスキルを身につけていくことが重要です。このような学習プロセスを大事に行動してください。
※学習課題の時間欄には、指定された学習課題に要する標準的な時間を記載してあります。日々の自学自習時間全体としては、各授業に応じた時間(例えば2単位科目の場合、予習2時間・復習2時間/週)を取るよう努めてください。詳しくは教員の指導に従って下さい。
授業明細
回数 学習内容 授業の運営方法 学習課題 予習・復習 時間:分※
【授業】 本科目の授業運営方針を学習支援計画書に基づいて説 明する.この科目と機械工学科の教育目標との関連, 具体的な達成レベルの目安を説明する. また,鉄鋼,非鉄金属,プラスチック,セラミックス 等の“実用材料”の全体像を把握して材料を使用する 上での基本概念を学習する. 授業と質疑 機械工学科の教育目標と本科目と の関連を理解する. 自分の身の回りにある工業製品, 家庭用品などの材料について考え てみよう.モノを手にしたときに 「これはどんな材料で出来ている のだろう?」と疑問を持ち,調べ ,材料に対する認識を深めよう. 30 30
【授業】 物質の分類,物質を構成する原子の結合の種類と特徴 ,Au,Fe,Mgなど結晶構造を学習する.さらに,実用 材料の分類と基本特性,具体的な工業的用途,材料開 発の必要性について学習する. 授業と質疑 金,アルミニウム,鉄,マグネシ ウムなどの純物質の結晶構造を予 習しておく. JIS G3101,JIS G4051,JIS G440 1,JIS G5501,JIS H4000を調査 し,規格の名称,記載されている 材料の種類を表す記号と特徴など を理解する. 30 90
【授業】 結晶の幾何学(特に,空間格子と単位格子,ブラベー 格子),単結晶と多結晶の違い,物質の理論密度の算 出について学習する. 授業と質疑 演習問題の出題と解答 代表的な純物質とその結晶構造モ デルを説明できるように復習する . 60
【小テスト1】 1回から3回の内容について小テストによりその理解 度を確認する. 【授業】 結晶の幾何学の知識を応用して,単位格子とミラー指 数を用いた結晶の面と方向の表示法,FCC及びBCCにお ける原子の充填率,四面体空隙,八面体空隙の算出な どを学習する. 小テスト1 授業と質疑 1回から3回の授業内容の復習 180
【振り返り授業と自己点検】 小テスト1を返却し,模範解答の提示と解説を行うと ともに,疑問点を解消するための質疑応答の時間を設 ける. さらに,理解度を深めるための演習問題,クイズなど を出題し解説する. 【授業】 単位格子とミラー指数を用いた結晶の面と方向の表示 法についてさらに学習する. 授業と質疑 演習問題の出題と解答 小テストの自己採点の後に自己点 検レポートを作成・提出し,今後 の学習計画を立案する. 演習問題を復習し,単位格子とミ ラー指数を用いた表示法を理解す る. 15 60
【授業】 完全結晶,格子欠陥の種類と特徴を理解する.さらに ,弾性変形と塑性変形の違いを理解する.塑性変形に ついては,すべり変形と双晶変形の違いを理解する. 授業と質疑 BCC結晶とFCC結晶のすべり系を復 習する.さらに,単結晶に一軸応 力を加えた際にすべり面に働くせ ん断応力の導出法を説明できるよ うに復習する. 60
【授業】 材料の特徴を知るための試験方法の概要(破壊試験( 引張試験,硬さ試験,シャルピー衝撃試験,疲労試験 など,非破壊試験(超音波探傷試験,X線透過試験な ど))を学習する.さらに,材料の機械的特性を表す 用語(延性,展性,靭性,脆性など)を学習する. 授業と質疑 演習問題の出題と解答 JIS G0202,JIS Z2241,JIS Z224 2,JIS Z2243-1及び2,JIS Z2244 ,JIS Z2245を調査し,規格の名 称,記載されている材料試験法と その特徴などを理解する. 90
【授業】 機械構造物の設計には不可欠な材料の強度を知るため の材料試験(例えば,引張試験,硬さ試験,シャルピ ー衝撃試験)の方法について学習する.さらに,引張 試験及びシャルピー衝撃試験で得られる種々の値の求 め方を学習する. 授業と質疑 演習問題の出題と解答 演習問題を復習し,材料試験で得 られる種々の値の算出法を理解す る. 90
【小テスト2】 4回から8回の内容について小テストを実施し,その 理解度を確認する. 【授業】 金属材料における組織制御の基礎を学習する.純金属 ,固溶体,化合物の違いを学習する. 晶出,析出, 相変態などの組織制御の関連用語を学習する. 小テスト2 授業と質疑 4回から8回の授業内容の復習 180
10 【振り返り授業と自己点検】 小テスト2を返却し,模範解答の提示と解説を行うと ともに,疑問点を解消するための質疑応答の時間を設 ける. さらに,理解度を深めるための演習問題,クイズなど を出題し解説する. 【授業】 組織制御を行う上で必要不可欠な平衡状態図の基礎を 学習する.全率固溶体型状態図及び共晶型状態図を例 として取り上げる. 授業と質疑 演習問題の出題と解答 小テストの自己採点の後に自己点 検レポートを作成・提出し,今後 の学習計画を立案する. 授業前に1回から8回の学習内容 を復習するとともに,疑問点を明 確にしておく.重要用語などを簡 潔に発表する時間を設けるので, 各自のノートを整理しなければい けない. 15 180
11 【授業】 平衡状態図と形成される組織(特に,共晶組織と共析 組織)を学習する.さらに,天秤の関係を使った相の 割合の算出方法を学習する. 授業と質疑 演習問題の出題と解答 演習問題を復習し,天秤の関係を 使った相の割合の算出法を理解す る. 60
12 【小テスト3】 第9回から第11回の内容について小テストを実施し ,その理解度を確認する. 【総合演習】 機械工学の中で重要な位置を占める材料の役割を考え る.特に,今後の開発が期待される材料の特性とその 適用分野に関して討論を行う.討論内容あるいは指示 された事項について調査し,レポートとしてまとめる . 小テスト3 授業と質疑 第9回から第11回の授業内容の 復習 レポート作成のための調査を開始 する. 180 120
13 【振り返り授業と自己点検】 小テスト3を返却し,模範解答の提示と解説を行う. 疑問点の解消と理解をさらに深めるための質疑応答の 時間を設ける.小テスト3の結果を自己点検し,今後 の学習計画を立案する. 【授業】 純鉄の相変態及びFe-C系平衡状態図の読み取り方を学 習する. 授業と質疑 演習問題の出題と解答 小テストの自己採点の後に自己点 検レポートを作成・提出し,今後 の学習計画を立案する. 授業前に各自のノート,配布資料 ,教科書などを使って復習し,理 解不十分な箇所を明確にし,その 解決のための質問事項をまとめて おく. 15 180
14 【総合学習授業】 これまでの学習内容の理解度を深めるための演習問題 ,クイズなどを出題し解説する. 【達成度確認試験】 第1回から第14回の学習内容の理解度を確認するた めの達成度確認試験を実施する. 演習問題の出題と解答 達成度確認試験 これまでの学習内容の総復習 270
15 【振り返り授業】 達成度確認試験の返却と解説を行う.さらに,提出さ れたレポートの解説を行う. 【自己点検】 小テスト,達成度確認試験,レポートについて自己点 検し,今後の学習計画を立案する. 達成度確認試験の模範解答を 提示し,これまでの学習内容 を復習する. 各自の結果について自己点検 し,今後の学習計画立案に役 立てる. レポートの提出 達成度確認試験の復習. 指示された課題のレポートを作成 し,授業開始時に提出する. 60 180