|| 英語(English)
学習支援計画書(シラバス) 検索システム
専門教育課程 応用バイオ学科
授業科目区分 科目名 単位数 科目コード 開講時期 履修方法
専門教育課程
専門科目
専門
タンパク質工学
Protein Engineering
2 B129-01 2024年度
6期(後学期)
修学規程第4条を参照
担当教員名
*印は、実務経験のある教員を示しています。
授業科目の学習・教育目標
キーワード 学習・教育目標
1.タンパク質の構造 2.分子遺伝学 3.遺伝子操作 4.タンパク質の精製と機能解析 5.データ解析 タンパク質工学とは、遺伝子工学の技術を駆使し、遺伝子の改変や修飾を行うことで、目的 にあった性質や機能をもつタンパク質を人工的に作り出し利用する技術である。その応用範 囲は、農学や工学から医学・薬学の分野に至るまで多岐にわたり、新規の機能性をもつ食品 や医薬品などが作り出されている。本科目では、タンパク質工学の基本技術について学び、 酵素・抗体にまで至る最近のタンパク質工学の成果についても例を挙げて解説し、タンパク 質工学の全体像を学習・理解する。
授業の概要および学習上の助言
講義内容を以下に示す。    1.タンパク質の構造:      アミノ酸・タンパク質の高次構造    2.タンパク質の発現機構:    転写・翻訳    3.遺伝子操作:         遺伝子工学的手法(クローニング・ハイブリダイゼーション・変異導入など)    4.タンパク質の精製と機能解析: クロマグラフィー・SDS-PAGE・構造解析など    5.タンパク質の分子設計:    遺伝子組換えを用いたタンパク質の高生産 1年次・2年次の開講科目である「基礎生物学」・「基礎生化学」・「分子生物学」・「微生物学」を修得していることを前提 に、応用的な技術や実践的な利用法へと説明を進めていく。これらの科目を修得していない学生は、核酸やタンパク質関連部 分の自主学習をして、講義に臨むことを強く勧める。
教科書および参考書・リザーブドブック
教科書:エッセンシャル タンパク質工学[講談社] 参考書:指定なし リザーブドブック:指定なし
履修に必要な予備知識や技能
1年次・2年次の開講科目である「基礎生物学」・「基礎生化学」・「分子生物学」・「微生物学」で扱う核酸やタンパク質、 微生物関連分野の知識を必要とする。
学生が達成すべき行動目標
No. 学科教育目標
(記号表記)
I,J,L タンパク質の高次構造について説明できる。
I,J,L タンパク質の分泌発現について説明できる。
I,J,L タンパク質への変異導入方法について説明できる。
I,J,L 変異タンパク質の精製法について説明できる。
I,J,L タンパク質の改変について説明できる。
達成度評価
評価方法
試験 クイズ
小テスト
レポート 成果発表
(口頭・実技)
作品 ポートフォリオ その他 合計
総合評価割合 0 70 20 0 0 0 10 100
指標と評価割合 総合評価割合 0 70 20 0 0 0 10 100
総合力指標 知識を取り込む力 0 50 5 0 0 0 0 55
思考・推論・創造する力 0 15 10 0 0 0 0 25
コラボレーションと
リーダーシップ
0 0 0 0 0 0 0 0
発表・表現・伝達する力 0 5 0 0 0 0 5 10
学習に取組む姿勢・意欲 0 0 5 0 0 0 5 10
※総合力指標で示す数値内訳、授業運営上のおおよその目安を示したものです。
評価の要点
評価方法 行動目標 評価の実施方法と注意点
試験
クイズ
小テスト
小テストを複数回行い、全評価の60%の割合とする。
レポート 授業内容に関するレポートを複数回提出してもらい、全評価の15%の割合とする。
成果発表
(口頭・実技)
授業内容に関する発表を行ってもらい、全評価の15%の割合とする。
作品
ポートフォリオ
その他 授業中の頻繁な出入りや私語など、他の学生に迷惑となるような行為を評価減点の対象とし、全評価の10 %とする。
具体的な達成の目安
理想的な達成レベルの目安 標準的な達成レベルの目安
●タンパク質の高発現のメカニズムを理解し、詳しく説明でき る。 ●タンパク質の機能改変について理解し、詳しく説明できる。 ●タンパク質の機能改変の様々な実例を挙げ、詳しく説明でき る。 ●タンパク質の分子設計について、詳しく説明できる。 ●タンパク質の高発現のメカニズムを理解し、基本的な事項を 説明できる。 ●タンパク質の機能改変について理解し、基本的な事項を説明 できる。 ●タンパク質の機能改変の代表的な実例について、説明できる 。 ●タンパク質の分子設計の要点を理解し、基本的な事項を説明 できる。
CLIP学習プロセスについて
一般に、授業あるいは課外での学習では:「知識などを取り込む」→「知識などをいろいろな角度から、場合によってはチーム活動として、考え、推論し、創造する」→「修得した内容を表現、発表、伝達する」→「総合的に評価を受ける、GoodWork!」:のようなプロセス(一部あるいは全体)を繰り返し行いながら、応用力のある知識やスキルを身につけていくことが重要です。このような学習プロセスを大事に行動してください。
※学習課題の時間欄には、指定された学習課題に要する標準的な時間を記載してあります。日々の自学自習時間全体としては、各授業に応じた時間(例えば2単位科目の場合、予習2時間・復習2時間/週)を取るよう努めてください。詳しくは教員の指導に従って下さい。
授業明細
回数 学習内容 授業の運営方法 学習課題 予習・復習 時間:分※
1週 ガイダンス ・授業概要と学習領域解説 ・遺伝子工学概説(手順) 講義と質疑 タンパク質工学を取り巻く技術に ついて 講義内容の復習 予習 30 復習 30
2週 ・タンパク質工学概説 タンパク質高次構造解析法と機能解析法の概説 演習:アミノ酸の分子量計算 講義と質疑 タンパク質の高次構造について 講義内容の復習 予習 30 復習 90
3週 ・アミノ酸・タンパク質の性質(Ⅰ)1・2次構造 アミノ酸に関する性質を学ぶ(極性・疎水・塩基性・ 酸性アミノ酸となる理由と見分け方) 演習:アミノ酸の等電点に関する問題 ・小テスト 講義と質疑 小テスト アミノ酸の置換基とその性質につ いて 講義内容の復習 予習 90 復習 30
4週 ・アミノ酸・タンパク質の性質(Ⅱ)3.4次構造 ドメインとモジュールについて。タンパク質を形成し ている水素結合・イオン結合・疎水結合・s-s結合 、分子間力について学ぶ ・小テスト返却と解説 講義と質疑 小テストの返却と解説 タンパク質の三次構造を形成する 種々の化学結合について 講義内容の復習 予習 60 復習 30
5週 ・酵素反応について 酵素反応について学ぶ 酵素活性と基質濃度について学ぶ 講義と質疑 酵素反応について 講義内容の復習 予習 60 復習 30
6週 ・酵素反応の阻害機構について 競合阻害・非競合阻害について学ぶ 酵素の代謝調節について学ぶ 講義と質疑 酵素反応の阻害機構について 講義内容の復習 予習 30 復習 30
7週 ・遺伝子操作(宿主・ベクター系)について 制限酵素・ベクターについてその機能について学ぶ。 講義と質疑 制限酵素・ベクターについて 講義内容の復習 予習 30 復習 30
8週 ・PCRの原理と変異導入法について 部位特異的変異による塩基配列への変異導入方法につ いて学ぶ。 演習:変異導入用プライマーの設計 ・小テスト 講義と質疑 小テスト PCRと変異導入法について 講義内容の復習 予習 40 復習 60
9週 ・塩基配列決定法について学ぶ マキサム・ギルバート法、サンガー法、ダイターミネ ーター法の塩基配列決定法について 演習:特定の塩基配列を解読する場合を想定して、そ れぞれの方法で具体的にシーケンスを行う場合につい て仮想実験を行う ・小テストの返却と解説 講義と質疑 小テストの返却と解説 塩基配列決定法の原理について 講義内容の復習 予習 60 復習 30
10週 ・タンパク質の精製 硫安塩析、イオン交換クロマトグラフィー、ゲルろ過 クロマトグラフィー、等電点クロマトグラフィー、ア フィニティークロマトグラフィー、HPLCなどの原理に ついて学ぶ。 演習:特定の等電点を持つタンパク質を精製する場合 の担体の選択方法を考える 講義と質疑、演習 タンパク質の精製法の種類と特徴 について 講義内容の復習 予習 40 復習 30
11週 ・タンパク質の機能解析(分子量測定・二次構造解析 ) SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動法やゲルろ過法 による分子量測定やアミノ酸組成分析やアミノ酸のシ ーケンス方法について学ぶ。 演習:SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動法やゲル ろ過法から分子量を計算する 講義と質疑・演習 ゲルろ過・SDS-PAGE、CDスペクト ルなどの解析手法について 講義内容の復習 予習 90 復習 30
12週 酵素の医療分野での応用 講義と質疑・演習 講義内容の復習 復習 90
13週 タンパク質立体構造について(データ解析) 講義と質疑・演習 講義内容の復習 復習 90
14週 今までの授業の総復習 講義と質疑 小テスト 講義内容の復習 復習 120
15週 ・総合学習   講義と質疑 小テストの返却と解説 タンパク質工学が可能にする未来 について 講義内容の復習 予習 60 復習 20