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学習支援計画書(シラバス) 検索システム
専門教育課程 機械工学科
授業科目区分 科目名 単位数 科目コード 開講時期 履修方法
専門教育課程
専門科目
専門
材料科学Ⅱ
Materials Science II
2 E023-01 2024年度
4期(後学期)
修学規程第4条を参照
担当教員名
*印は、実務経験のある教員を示しています。
授業科目の学習・教育目標
キーワード 学習・教育目標
1.鉄鋼材料 2.非鉄金属材料 3.平衡状態図 4.組織制御 5.相変態 優れた性能を発揮する機械・構造物を設計・製作するには,それを構成する材料の特徴を理 解した上での材料選択が必要となる.また,材料は熱処理や加工により組織や性質が変化す る.本科目では,熱処理及び加工による材料の改質法を学習するとともに,代表的な実用材 料の基本特性と組織との関連を学習する.
授業の概要および学習上の助言
授業の運営方法などの具体的な説明は第1回の授業時に行う.概要は次のようになっている. ・Fe-C系状態図と組織 ・鉄鋼材料の熱処理と組織 ・加工硬化と回復・再結晶 ・材料の固溶強化,析出強化,結晶粒微細化による強化 関数電卓はかならず使用するので,各自が持参するとともに,その使用法は事前に修得しておくこと. 学習課題に示す内容の習得度,理解度,応用能力の確認は,授業中のクイズ,小テストなどで適宜行う. なお,学習支援計画書は各自が印刷出力し,熟読したうえで第1回の授業に臨むこと. 学習支援計画書を用いて進捗状況,今後の授業スケジュールを授業内で説明することがあるので,必ず持参すること.
教科書および参考書・リザーブドブック
教科書:図解 機械材料 第3版[東京電機大学出版局] 参考書:指定なし リザーブドブック:入門・金属材料の組織と性質[大河出版]
履修に必要な予備知識や技能
本学習支援計画書は原則的な計画書であるので,学生の理解度などに応じて授業明細を多少変更する場合がある. 材料科学Ⅰの内容を復習し十分理解した上で,本科目を受講することを強く勧める.本科目を習得すると「材料科学Ⅲ(3年 次前学期)」の内容を理解しやすくなる.
学生が達成すべき行動目標
No. 学科教育目標
(記号表記)
D,J,K Fe-C系平衡状態図と鋼の標準組織の関係を説明できる
D,J,K 鋼の基本的な熱処理法を説明できる
D,J,K アルミニウム合金の基本的な熱処理法を説明できる
D,J,K 塑性加工によって得られる組織と熱処理による回復,再結晶の機構を説明できる
達成度評価
評価方法
試験 クイズ
小テスト
レポート 成果発表
(口頭・実技)
作品 ポートフォリオ その他 合計
総合評価割合 30 55 10 0 0 0 5 100
指標と評価割合 総合評価割合 30 55 10 0 0 0 5 100
総合力指標 知識を取り込む力 25 45 4 0 0 0 0 74
思考・推論・創造する力 5 10 2 0 0 0 0 17
コラボレーションと
リーダーシップ
0 0 0 0 0 0 0 0
発表・表現・伝達する力 0 0 2 0 0 0 0 2
学習に取組む姿勢・意欲 0 0 2 0 0 0 5 7
※総合力指標で示す数値内訳、授業運営上のおおよその目安を示したものです。
評価の要点
評価方法 行動目標 評価の実施方法と注意点
試験 学期末に達成度確認試験を実施する. 講義ノート,演習問題,教科書等で十分復習し,OHなどを利用して疑問点の解消に努めなければいけな い.試験範囲等についての詳細は授業の中で伝達する.学生証は必ず持参し,提示すること(提示がない 場合は採点対象となりません).
クイズ
小テスト
小テストは3回実施する. 基本的には講義内容の区切り毎に行う.講義ノート,演習問題,配布資料,教科書等で復習し,OHなど を利用して疑問点の解消に努めなければいけない.試験範囲等についての詳細は授業の中で伝達する.学 生証は必ず持参し,提示すること(提示がない場合は採点対象となりません).
レポート 今後の開発が期待される材料の特性とその適用分野について,ビデオの視聴,専門用語の調査,などを課 し,これに基づいたレポート課題を提示する.具体的なレポート課題の内容と提出(授業-第15回の開 始時に提出することを基本とする)などは,授業の中で伝達する.
成果発表
(口頭・実技)
作品
ポートフォリオ
その他 小テストの自己採点の後に自己点検レポートを作成・提出し,今後の学習計画を立案する.
具体的な達成の目安
理想的な達成レベルの目安 標準的な達成レベルの目安
①Fe-C系平衡状態図を用いて標準組織の形成過程を説明できる . ②Fe-C系平衡状態図,CCT曲線,TTT曲線を使って,目的とする 特性を得るための熱処理条件を決定することができる. ②③熱処理によって起こる相変態あるいは析出現象と機械的特 性との関連を説明できる. ④加工硬化した材料の回復,再結晶過程を模式図を使って説明 できる. (文章中の番号は学生の行動目標の番号に対応しています) ①鋼の炭素含有量と標準組織の関係を説明できる. ②③焼入れ,焼戻し,焼なまし,焼ならし,溶体化処理,人工 時効処理などの基本的な熱処理用語を説明できる. ④加工硬化と格子欠陥の関連を説明できる. (文章中の番号は学生の行動目標の番号に対応しています)
CLIP学習プロセスについて
一般に、授業あるいは課外での学習では:「知識などを取り込む」→「知識などをいろいろな角度から、場合によってはチーム活動として、考え、推論し、創造する」→「修得した内容を表現、発表、伝達する」→「総合的に評価を受ける、GoodWork!」:のようなプロセス(一部あるいは全体)を繰り返し行いながら、応用力のある知識やスキルを身につけていくことが重要です。このような学習プロセスを大事に行動してください。
※学習課題の時間欄には、指定された学習課題に要する標準的な時間を記載してあります。日々の自学自習時間全体としては、各授業に応じた時間(例えば2単位科目の場合、予習2時間・復習2時間/週)を取るよう努めてください。詳しくは教員の指導に従って下さい。
授業明細
回数 学習内容 授業の運営方法 学習課題 予習・復習 時間:分※
1 【授業】 本科目の講義方針の説明を行う.学習支援計画書を基 に学習教育目標,概要や行動目標を理解する.特に, 本科目と機械工学科の教育目標との関連,具体的な達 成レベルの目安を理解する. さらに,クイズなどによって材料科学Ⅰで学習した専 門用語の理解度を確認する. 【自己点検】 材料科学Ⅰにおける理解不十分な点を明らかにし,今 後の学習計画を立案する. 授業と質疑 クイズの出題と解説 機械工学科の教育目標と本科目と の関連を理解する. 材料科学Ⅰのノート,配布資料な どを使って十分復習しておく. 60
2 【授業】 Fe-C系平衡状態図に表現されている特徴的な点(融点 ,変態点,共晶点,共析点,など),標準組織の形成 過程を学習する. さらに,天秤の関係を使って各相の質量割合を算出す る方法を学習する. 授業と質疑 演習問題の出題と解説 材料科学Ⅰで学習した「平衡状態 図の読み取り方」を復習した上で 授業に臨むこと. 60
3 【授業】 鋼の基本的な熱処理とそれに伴って現れる相変態の基 礎を学習する. 授業と質疑 FeーC系平衡状態図に記載されて α相,γ相,δ相の結晶構造を復 習した上で授業に臨むこと. 60
4 【小テスト1】 第1回から第3回の内容について小テストによりその 理解度を確認する. 【授業】 鋼の熱処理と得られる組織,機械的特性との関連をさ らに理解する. これに加え,鋼の焼入れにおける結晶構造の移り変わ りをベインの格子対応モデルを使って説明できること を学習する. 小テスト1 授業と質疑 第1回から第3回の授業内容の復 習 180
5 【振り返り授業と自己点検】 小テスト1を返却し,模範解答の提示と解説を行う. 疑問点の解消と理解をさらに深めるための質疑応答の 時間を設ける.小テスト1の結果を自己点検し,今後 の学習計画を立案する. 【授業】 恒温変態曲線(S曲線あるいはTTT曲線)及び連続冷却 曲線(CCT曲線)を学習する. 授業と質疑 演習問題の出題と解答 授業前に第1回から第4回の授業 内容を復習するとともに,疑問点 を明確にしておく. 60
6 【授業】 恒温変態曲線(S曲線あるいはTTT曲線)及び連続冷却 曲線(CCT曲線)をさらに学習し,これらを使った鋼 の熱処理と得られる組織,機械的特性との関連を理解 する. さらに,炭素鋼の焼入れについては具体的な焼入れ温 度と冷却速度の設定方法を学習する. 授業と質疑 授業後にJIS G0201を用いて熱処 理用語の意味を復習し,理解を深 める. 60
7 【授業】 鋼の焼戻しと焼戻し脆性について学習する.また,焼 戻し脆性が評価できるシャルピー衝撃試験についても 学習する. さらに,シャルピー衝撃試験に関する演習問題によっ て焼戻し脆性の理解を深める. 授業と質疑 演習問題の出題と解説 JIS Z2242「金属材料のシャルピ ー衝撃試験方法」を予習し,概要 を説明できるようにする. 120
8 【小テスト2】 第4回から第7回の内容について小テストを実施し, その理解度を確認する. 【授業】 組織制御と材料強化法(固溶強化,析出強化,結晶粒 微細化による強化)の概要を理解する. 小テスト2 授業と質疑 第4回から第7回の講義内容の復 習 授業後に専門用語辞書などを使っ て転位,固溶体,析出,ホール・ ペッチの式について復習し,理解 を深める. 180 60
9 【振り返り授業と自己点検】 小テスト2を返却し,模範解答の提示と解説を行う. 疑問点の解消と理解をさらに深めるための質疑応答の 時間を設ける.小テスト2の結果を自己点検し,今後 の学習計画を立案する. 【授業】 加工と熱処理を用いた組織制御について学習する.加 工硬化,回復・再結晶現象を応用した組織制御法のメ カニズムを理解する. 授業と質疑 演習問題の出題と解答 授業前に第1回から第8回の講義 内容を復習し,疑問点を明確にし た上で授業に臨むこと. 重要用語などを簡潔に発表する時 間を設けるので,講義ノートを整 理しておかなければいけない. 授業後に専門用語辞書などを使っ て熱間加工,温間加工,冷間加工 について復習し,理解を深める. 120
10 【授業】 固溶強化,析出強化について学習し,それらによって 強化された工業材料,特にアルミニウム合金の特徴を 理解する. さらに,アルミニウム合金の人工時効処理過程での相 形成と硬さの関係を学習する. 授業と質疑 授業後に強化機構と転位との関連 についてLC所蔵の図書を用いて 調査し,理解を深める. 60
11 【授業】 結晶粒微細化による強化とホール・ペッチの式につい て学習するとともに,工業用材料と強化機構の関係を 理解する. 授業と質疑 授業後にホール・ペッチの式が成 立する具体例をLC所蔵の図書を 用いて調査し,授業内容の理解を 深める. 60
12 【小テスト3】 第8回から第12回の内容について小テストを実施し ,その理解度を確認する. 【総合学習】 機械工学の中で重要な位置を占める材料の役割を考え る.材料を取り巻く現状を調査するとともに,討論し た内容及び指定された課題についてレポートとしてま とめる. 小テスト3 今後の材料開発の方向性に関 する討論 第8回から第12回の講義内容の 復習 レポート作成のための調査を行う . 180 60
13 【振り返り授業と自己点検】 小テスト3を返却し,模範解答の提示と解説を行う. 疑問点の解消と理解をさらに深めるための質疑応答の 時間を設ける.小テスト3の結果を自己点検し,今後 の学習計画を立案する. 【総合学習授業】 これまでの学習内容の理解度を深めるための演習問題 ,クイズなどを出題し解説する. 授業と質疑 これまでの授業の総復習を行 う. 授業前に各自のノート,配布資料 ,教科書などを使って復習する. 理解不十分な箇所を明確にし,そ の解決のための質問事項をまとめ ておく. 120
14 【総合学習授業】 これまでの学習内容の理解度を深めるための演習問題 ,クイズなどを出題し解説する. 【達成度確認試験】 第1回から第14回の学習内容の理解度を確認するた めの達成度確認試験を実施する. 第1回から第14回の学習内 容の理解度を深めるために, 演習問題,クイズなどを出題 し,その解説を行う. 行動目標に対応した達成度の 確認試験を実施する. これまでの学習内容の総復習 360
15 【振り返り授業】 達成度確認試験の返却と解説を行う.さらに,提出さ れたレポートの解説を行う. 【自己点検】 小テスト,達成度確認試験,レポートについて自己点 検し,今後の学習計画を立案する. 達成度確認試験の解説.模範 解答を提示し,これまでの学 習内容を復習する. レポートの提出. 達成度確認試験の復習. 指定されたレポートを作成し,授 業開始時に提出する. 120 120