1 |
配布するシラバスと教科書をもとに、学習内容の概要
を理解する。無機化学とはどういった学問分野かを理
解する。元素の発見について学習し、原子番号、質量
数などの基本事項を理解する。原子中の電子配置につ
いて理解する。K殻、L殻、M殻・・・で表されてい
た電子殻が、さらにs軌道、p軌道、d軌道、f軌道
の原子軌道に分かれていることを学習する。電子配置
の条件の「パウリの原理」、「フントの規則」につい
て理解する。 |
講義と質疑、演習、小テスト |
学習支援計画書を読んで、まだ意
味のわからない専門用語をチェッ
クしておく。s軌道、p軌道、d
軌道の形と各軌道に収容できる電
子数を説明できるようにする。 |
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2 |
周期表上の各原子について、電子配置を軌道エネルギ
ー順に配置する方法を理解する。それによって元素が
sブロック元素、pブロック元素、dブロック元素、
fブロック元素に分類されることを理解する。典型元
素と遷移元素の分類を電子配置から理解する。ルイス
構造(点電子式)による共有結合の表し方を学習し、
この方法では表記できない化合物があることを知る。
イオン結合、金属結合、ファンデルワールス結合、水
素結合の概要を理解する。 |
講義と質疑、演習、小テスト |
原子番号を指定されたら、軌道エ
ネルギー順に電子を充填し、電子
配置を記せるようにする。共有結
合性物質について点電子式を用い
て、ルイス構造で表すことができ
るようにする。 |
180 |
3 |
原子半径、イオン半径が原子番号の増加につれて、ど
う変化するかを理解し、その傾向が有効核荷電などか
ら定性的に説明できることを学ぶ。第6周期の原子半
径が第5周期とほとんど同じなのはランタニド収縮に
よるものであることを理解する。格子エンタルピー(
格子エネルギー)とは何かを理解する。格子エンタル
ピーがボルンハーバーサイクルを利用して、他の段階
のエンタルピー変化から計算できることを学ぶ。 |
講義と質疑、演習、小テスト |
周期表上での原子半径、イオン半
径の増減の傾向について、理由を
含めて説明できるようにする。ラ
ンタニド収縮について説明できる
ようにする。実際に生成エンタル
ピーなどの値を用いて、格子エネ
ルギーを計算できるようにする。 |
180 |
4 |
マーデルング定数とは何かを理解する。岩塩型、塩化
セシウム型など実際の結晶構造について、マーデルン
グ定数を計算するプロセスを理解する。金属結晶の代
表的な構造である六方最密格子、立方最密格子、体心
立方格子について学習する。立方最密格子が見方を変
えると面心立方格子になることを理解する。単位格子
中の原子数の数え方を理解し、単位格子から密度を計
算する方法を学習する。 |
講義と質疑、演習、小テスト |
岩塩型結晶構造について、実際に
マーデルング定数を求める数式を
記し、定数を計算できるようにす
る。3種類の格子を描けるように
する。単位格子の構造(格子定数
、原子数)から密度を計算できる
ようにする。 |
180 |
5 |
イオン性結晶の代表的な構造である岩塩型、塩化セシ
ウム型、閃亜鉛鉱型の各結晶構造について学習する。
単位格子から密度を計算する方法を理解する。イオン
性結晶構造では陽イオンと陰イオンが接触し、陽イオ
ン同士、陰イオン同士は接触していないことに注意す
る。その上で、陽イオンと陰イオンの半径の比率(イ
オン半径比)から、とりうる結晶構造が自動的に決ま
ることを理解する。 |
講義と質疑、演習、小テスト |
結晶構造を描けるようにする。単
位格子の構造(格子定数、原子数
)から密度を計算できるようにす
る。可能なイオン半径比の範囲を
、各結晶構造から計算できるよう
にする。 |
180 |
6 |
結晶構造、分子構造を図示する方法には、球を使った
表示、結合表示、多面体を使った表示など様々な方法
があることを理解する。原子番号の増加に対するイオ
ン化エネルギーの変化が、有効核荷電などから定性的
に説明できることを学習する。周期表上での傾向を理
解する。 |
講義と質疑、演習、小テスト |
五酸化リンや五塩化モリブデンを
様々な方法で図示できるようにす
る。周期表上でのイオン化エネル
ギーの変動の傾向を、おおまかな
理由とともに説明できるようにす
る。 |
180 |
7 |
電子親和力の意味を理解する。エンタルピー変化と電
子親和力に正負の関係があることを理解する。電子親
和力の周期表上での変動の傾向を理解する。電気陰性
度の意味を理解し、周期表上での変動の傾向を理解す
る。F,O,Nが電気陰性度の大きい元素ベスト3で
あることを理解し、分子内にこれらを含んだときの挙
動を理解する。電気陰性度がイオン化エネルギーと電
子親和力から定義されることを学ぶ。 |
講義と質疑、演習、小テスト |
電子親和力の意味と周期表上での
変動の傾向を説明できるようにす
る。電気陰性度の意味と周期表上
での変動の傾向を説明できるよう
にする。 |
180 |
8 |
電気陰性度の差から、イオン結合性、共有結合性の大
小が決定されることを学ぶ。ポーリングやマリケンに
よる定義を比較し、HOMO、LUMOの考え方と関
連付ける。分子軌道の概念を理解する。波動関数の2
乗が電子の存在確率に比例すること、および波動関数
には正の部分と負の部分があることを理解する。原子
軌道同士が重なる条件に依存して、結合性分子軌道、
反結合性分子軌道、非結合性分子軌道ができることを
理解する。 |
講義と質疑、演習、小テスト |
イオン結合性、共有結合性の大小
を電気陰性度から求めることがで
きるようにする。結合性分子軌道
、反結合性分子軌道、非結合性分
子軌道をエネルギー準位を用いて
図示できるようにする。 |
180 |
9 |
エネルギーの同じ分子軌道が2個以上あるとき、「縮
退している」と呼ぶことを理解する。結合性分子軌道
、反結合性分子軌道、非結合性分子軌道、それぞれの
場合の原子軌道の重なり方を理解する。方向性によっ
て、シグマ(σ)軌道とパイ(π)軌道があることを
理解する。水素分子、窒素分子、酸素分子、一酸化窒
素の分子軌道のエネルギー準位図を学ぶ。酸素分子が
常磁性であることや、一酸化窒素が常磁性で1価の陽
イオンになりやすいことを分子軌道の図から理解する
。 |
講義と質疑、演習、小テスト |
結合性分子軌道、反結合性分子軌
道、非結合性分子軌道それぞれの
場合について、原子軌道の重なり
方を図示できるようにする。シグ
マ軌道とパイ軌道を区別できるよ
うにする。水素分子、窒素分子、
酸素分子、一酸化窒素の分子軌道
のエネルギー準位図を描けるよう
にする。 |
180 |
10 |
エンタルピー、エントロピー、ギブスの自由エネルギ
ーなど熱力学の概念の無機化学での使い方を学ぶ。⊿
G=⊿H-T⊿Sの式の使い方を理解する。 |
講義と質疑、演習、小テスト |
自発的に進む反応かどうかを、⊿
G=⊿H-T⊿S を使用して判
断できるようにする。 |
180 |
11 |
アレニウスの酸・塩基の定義、ブレンステッドの酸・
塩基の定義をそれぞれ理解する。酸の解離定数からp
Hを求める方法を理解する。ハメットの酸度関数の考
え方を理解する。ルイスの酸・塩基の定義を理解する
。硬い酸・塩基、柔らかい酸・塩基の分類について理
解する。硬い、やわらかいを化学的に言い換えるとど
ういうことかを学習する。 |
講義と質疑、演習、小テスト |
アレニウス、ブレンステッドそれ
ぞれの酸・塩基の定義を説明でき
るようにする。酸の解離定数から
pHを求めることができるように
する。 |
180 |
12 |
無機化学の最先端とその工業的応用(1)
無機化学工業,産業技術と無機化学の関係 |
講義と質疑、演習、小テスト |
講義を視聴した後,疑問点を調査
する。 |
180 |
13 |
無機化学の最先端とその工業的応用(2)
ファインセラミックス,半導体,産業技術と無機化学
の関係 |
講義と質疑、演習、小テスト |
講義を視聴した後,疑問点を調査
する。 |
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14 |
達成度確認試験(予定),振り返り,復習 |
試験は持ち込み不可 |
試験準備を十分に進めること |
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15 |
達成度確認試験の返却,答え合わせと解説,講評,弱
点・盲点の整理 |
自己点検,講評,講義,振り
返り |
疑問点を調査する |
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一般に、授業あるいは課外での学習では:「知識などを取り込む」→「知識などをいろいろな角度から、場合によってはチーム活動として、考え、推論し、創造する」→「修得した内容を表現、発表、伝達する」→「総合的に評価を受ける、GoodWork!」:のようなプロセス(一部あるいは全体)を繰り返し行いながら、応用力のある知識やスキルを身につけていくことが重要です。このような学習プロセスを大事に行動してください。
※学習課題の時間欄には、指定された学習課題に要する標準的な時間を記載してあります。日々の自学自習時間全体としては、各授業に応じた時間(例えば2単位科目の場合、予習2時間・復習2時間/週)を取るよう努めてください。詳しくは教員の指導に従って下さい。