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数理・DS・AI教育課程 
授業科目区分 科目名 単位数 科目コード 開講時期 履修方法
数理・DS・AI教育課程
数理基礎科目
数理基礎
アドバンスト数理B
Advanced Mathematics B
2 G159-01 2024年度
2期(後学期)
4期(後学期)
修学規程第4条を参照
担当教員名
*印は、実務経験のある教員を示しています。
授業科目の学習・教育目標
キーワード 学習・教育目標
1.1階の微分方程式と解の性質 2.2階の線形同次微分方程式 3.2階の線形非同次微分方程式 4.連立線形微分方程式 5.現象の数学モデルと解の分析 工学や理学,社会科学の諸問題は微分方程式で記述される場合が多い.この科目では1階の 常微分方程式,2階の定数係数線形微分方程式および連立微分方程式の解法について学習し, ①現象の数学モデルを構成する方法,②具体的な解法と幾何学的な考え方,③解の性質や特 徴を分析する方法を理解する.MATLABを活用して微分方程式の解析解や幾何学的な描像によ り,物理現象を分析する汎用的能力を培うためのプログラミングの基礎を学修する.
授業の概要および学習上の助言
授業では,①1階の微分方程式,②2階の定数係数線形微分方程式(同次および非同次方程式),③1階の連立微分方程式 と分類されるそれぞれの微分方程式に対して, (Ⅰ)物理的,社会的現象を微分方程式で表現する方法 (数学モデルの作成法) (Ⅱ)多様な形式の微分方程式を具体的に解く方法や解曲線、方向場により幾何学的に考える方法 (Ⅲ)得られた解を分析し,変化のパターンや変動の速さなど,技術者(職業人)としての活動に必要な一連の情報を得る 分析手法を学ぶ. また,主要な学習テーマを学んだ後,数式処理システムを用い,上述の(Ⅰ),(Ⅱ),(Ⅲ)の知識を応用するプロジェク ト (Computing Project 全2回) を実施し,分析報告レポートの提出を求める. 授業では,次の活動にMATLABを用いる. 1)微分方程式の解の可視化と幾何学的な考え方 2)微分方程式のパラメータを設定し評価する. 3)物理現象をモデル化し,その解の導出や分析を行う. したがって,予め MATLAB を自分のノートPCにインストールし,基本的な使用法に習熟しておくとよい.(MATLABをインスト ールする際,インストールするアプリケーションモジュール(複数)の中に“SymbolicMath Toolbox”を含ませておくこと.)
教科書および参考書・リザーブドブック
教科書:技術者のための高等数学1 常微分方程式(原書第8版)[培風館] 参考書:Advanced Engineering Mathematics, 10th Edition[Wiley] リザーブドブック:指定なし
履修に必要な予備知識や技能
関数のグラフ,微分,積分,線形代数に関する科目を履修しておくこと. また,応用プロジェクトではMathWorks社の技術計算言語MATLABを使用するため,操作に習熟しておくことが望ましい. (MATLAB の基本的な使用法については資料を配布する.)
学生が達成すべき行動目標
No. 学科教育目標
(記号表記)
D 対象となる現象から1階の微分方程式を構成でき,解を求めることができる.
D 対象となる現象から2階の線形微分方程式を構成でき,解を求めることができる.
D 対象となる現象から連立1階微分方程式を構成でき,解を求めることができる.
D 微分方程式から得た解を解釈し,現象の変動パターンや変化の速さ,収束値などを評価できる.
C 数学用語の英単語を理解し,英語で出題された問題に対応することができる.
A 毎回の授業に出席し,授業内容を理解し,宿題やレポート課題をやり遂げることができる.
達成度評価
評価方法
試験 クイズ
小テスト
レポート 成果発表
(口頭・実技)
作品 ポートフォリオ その他 合計
総合評価割合 30 20 20 0 0 0 30 100
指標と評価割合 総合評価割合 30 20 20 0 0 0 30 100
総合力指標 知識を取り込む力 15 10 0 0 0 0 10 35
思考・推論・創造する力 15 10 10 0 0 0 10 45
コラボレーションと
リーダーシップ
0 0 0 0 0 0 0 0
発表・表現・伝達する力 0 0 10 0 0 0 0 10
学習に取組む姿勢・意欲 0 0 0 0 0 0 10 10
※総合力指標で示す数値内訳、授業運営上のおおよその目安を示したものです。
評価の要点
評価方法 行動目標 評価の実施方法と注意点
試験 本科目の全範囲を対象に,期末試験を実施する.期末試験では,達成すべき行動目標①から⑤の達成度を 総合評価割合30%として評価する.
クイズ
小テスト
1階微分方程式を対象に小テスト1を実施する.また,2階線形微分方程式を対象に小テスト2を実施する. それぞれの小テストの総合評価割合を10%とし,小テスト全体の総合評価割合を20%とする.
レポート 第6,7週と第13週にコンピューティング・プロジェクトを実施する.コンピューティング・プロジェ クトでは,①数学モデルの構築に関する説明,②解析過程と解析結果の説明,③解析結果の分析から得ら れた結論,で構成されるレポートの提出が求められる.各プロジェクト・レポートの総合評価割合は10 %であり,レポート項目全体の総合評価割合は20%である.
成果発表
(口頭・実技)
作品
ポートフォリオ
その他 学習に取り組む姿勢・意欲を各節ごとに出題される演習・宿題の成績と提出状況などで評価する.この項 目の総合評価割合は30%である.
具体的な達成の目安
理想的な達成レベルの目安 標準的な達成レベルの目安
①微分方程式とは何かを説明でき,解の幾何学的な性質や, 一般解と特殊解の違いを正確に説明できる. ②文章や図を用いて説明されている物理現象や社会現象を 微分方程式を用いた数学モデルに正確に変換できる. ③得られた1階微分方程式や高階微分方程式の構造を正確 に分析することができ,適切な計算手法を選択できる. ④求めた解を,グラフやその他の表現法を用いて提示する ことができ,多様な方法で分り易く解の挙動を説明できる. ⑤解の挙動を分析し,将来の状態の予測や,最適解を 求めることができる.また,その理由を正確に説明できる. ⑥全授業に出席し,授業内容の詳細を理解し,宿題と レポート課題を高い評価でやり遂げられる. ①微分方程式とは何かを説明でき,解の幾何学的な性質や一般 解と特殊解の違いを説明できる. ②文章や図を用いて説明されている物理現象や社会現象を微分 方程式を用いた数学モデルに変換できる. ③得られた1階微分方程式や2階微分方程式の構造を調べ,適 切な計算手法を選択でき,解を求めることができる. ④求められた解を,グラフやその他の表現法を用いて提示する ことができ,解の挙動を調べることができる. ⑤解の挙動を分析し,将来の状態の予測や,最適解を 求めることができる. ⑥毎回の授業に出席し,授業内容を理解し,宿題とレポート課 題をやり遂げることができる.
CLIP学習プロセスについて
一般に、授業あるいは課外での学習では:「知識などを取り込む」→「知識などをいろいろな角度から、場合によってはチーム活動として、考え、推論し、創造する」→「修得した内容を表現、発表、伝達する」→「総合的に評価を受ける、GoodWork!」:のようなプロセス(一部あるいは全体)を繰り返し行いながら、応用力のある知識やスキルを身につけていくことが重要です。このような学習プロセスを大事に行動してください。
※学習課題の時間欄には、指定された学習課題に要する標準的な時間を記載してあります。日々の自学自習時間全体としては、各授業に応じた時間(例えば2単位科目の場合、予習2時間・復習2時間/週)を取るよう努めてください。詳しくは教員の指導に従って下さい。
授業明細
回数 学習内容 授業の運営方法 学習課題 予習・復習 時間:分※
第1週 ・ガイダンス ・1階微分方程式の基本的な諸概念 ・1階微分方程式の幾何学的意味と方向場 ・科目ガイダンス ・講義,例題の解説 ・演習 【復習】 1階微分方程式の基本的な諸概念 および幾何学的意味と方向場を理 解する. 【予習】 教科書(pp.19〜26)を読み,分離 可能な微分方程式,モデル化:分 離可能な方程式について予習する . 60 30
第2週 ・分離可能な微分方程式 ・変数分離型への変換 ・モデル化:分離可能な微分方程式 ・講義,例題の解説 ・演習 【復習】 分離可能な微分方程式,モデル化 についての問題を解き,学習内容 で不確実な点を復習する. 【予習】 教科書(pp.29〜35)を読み,完全 微分方程式:積分因子について予 習する. 60 30
第3週 ・完全微分方程式:積分因子 ・講義,例題の解説 ・演習 【復習】 完全微分方程式についての問題を 解き,学習内容で不確実な点を復 習する. 【予習】 教科書(pp.37〜42)を読み,線形 微分方程式:ベルヌーイの方程式 について予習する. 60 30
第4週 ・線形微分方程式 ・ベルヌーイの方程式 ・講義,例題の解説 ・演習 【復習】 ・線形微分方程式,ベルヌーイの 方程式についての問題を解き,学 習内容で不確実な点を復習する. 【予習】 教科書を読み,モデル化の例(pp. 38〜39:混合問題,pp.41〜42: 人口動態,p.46〜p.51:電気回路 )について予習する. 60 30
第5週 ・モデル化:混合問題,人口動態,電気回路,その他 ・講義,例題の解説 ・演習 【復習】 ・モデル化についての問題を解き ,学習内容で不確実な点を復習す る. ・小テスト1のための総復習 【予習】 MATLABの基本的な使い方を予習す る. 90 30
第6週 ・小テスト1(範囲:第1〜5回) ・MATLABを用いたコンピューティング・プロジェクト (第1回).授業には,MATLABをインストールしたノー トPC,電源アダプタ,LANケーブルを忘れずに持参す ること. ・小テスト1の実施 ・コンピューティング・プロ ジェクト(第1回)の実施. 【復習】 コンピューティング・プロジェク トについての不確実な点を復習す る. 60
第7週 ・MATLABを用いたコンピューティング・プロジェクト (第1回)[前回のつづき].授業には,MATLABをインス トールしたノートPC,電源アダプタ,LANケーブルを 忘れずに持参すること. ・小テスト1の解説と自己点 検 ・コンピューティング・プロ ジェクト(第1回)の実施. 【復習】 小テスト1を振り返り点検する. コンピューティング・プロジェク トの解析レポートを執筆・完成す る. 【予習】 教科書を読み,2階同次線形微分 方程式(pp.70〜85),自由振動( 質量‐ばね系)(pp.89〜95)につ いて予習する. 90 30
第8週 ・2階の同次線形微分方程式 ・定数係数の2階同次方程式 ・複素根の場合,複素指数関数 ・モデル化:自由振動(質量‐ばね系),その他(調 和振動,減衰振動の他のモデル) ・講義,例題の解説,演習 ・プロジェクトレポート(No. 1)の収集 【復習】 2階同次線形微分方程式について の問題を解き,学習内容で不確実 な点を復習する. 【予習】 教科書(pp.102〜112)を読み,解 の存在と一意性の理論,ロンスキ 行列式,非同次方程式,未定係数 法について予習する. 60 60
第9週 ・解の存在と一意性の理論,ロンスキ行列式 ・非同次方程式 ・未定係数法 ・講義,例題の解説 ・演習 【復習】 学習内容についての問題を解き, 不確実な点を復習する. 【予習】 教科書を読み,定数変化法(pp.11 4〜116),モデル化:強制振動・ 共振(pp.117〜122)について予習 する. 60 60
第10週 ・定数変化法 ・モデル化:強制振動,共振 ・講義,例題の解説 ・演習 【復習】 未定係数法についての問題を解き ,学習内容で不確実な点を復習す る.小テスト2のための総復習. 【予習】 教科書(p.154〜p.159)を読み,連 立微分方程式に必要なベクトル・ 行列の概念を復習しておく. 90 30
第11週 ・小テスト2(範囲:第8〜10回) ・ベクトル,行列,固有値 ・小テスト2の実施 ・講義,例題の解説 ・演習 【復習】 学習内容についての問題を解き, 不確実な点を復習する. 【予習】 教科書(pp.160〜166)における連 立微分方程式のモデル化の項目を 読み予習する. 60 60
第12週 ・連立微分方程式 ・モデル化:連成振動,電気回路網,混合問題,その 他 ・小テスト2の解説と自己点 検 ・講義,例題の解説 ・演習 【復習】 小テスト2を振り返り点検する. 連立微分方程式についての問題を 解き,学習内容で不確実な点を復 習する. 【予習】 ノートPCでMATLABが動作すること を確認しておく.MATLABの基本的 操作法を復習しておく. 60 60
第13週 ・MATLABを用いたコンピューティング・プロジェクト (第2回).授業には,MATLABをインストールしたノー トPC,電源アダプタ,LANケーブルを忘れずに持参す ること. コンピューティング・プロジ ェクト(第2回)の実施 【復習】 コンピューティング・プロジェク トの解析レポートを執筆・完成す る. 期末試験のための総復習 120
第14週 ・学習内容の総復習 ・期末試験 第1〜5,8〜12回授業の学習内 容について復習 達成度確認試験を実施(範囲 :第1〜5,8〜12回) プロジェクトレポート(No.2) の収集 【振り返り学習】 教科書や授業で配付された資料等 を参照しながら,期末試験で解答 できなかった分野について再度復 習する. 60
第15週 ・期末試験の返却・解説 ・自己点検授業 ・出席,提出物等の確認 ・期末試験の解答についての 解説・講評 ・成績評価についての説明 ・アンケートの実施 期末試験の結果を振り返り,重要 な概念等を再確認する.