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高信頼ものづくり専攻
対象課程 科目名 単位数 科目コード 開講時期 授業科目区分
博士前期課程(修士課程)
複合材料生産技術
Manufacturing Technology of Composite Materials
2 8524-01 2021年度
前学期
関係科目
担当教員名
授業科目の学習教育目標
キーワード 学習教育目標
1.繊維強化複合材料 2.成形プロセスと生産設備 3.製造コスト 4.コンポジットの生産技術 5.生産技術課題の解決検討手順 複合材料は強化繊維とマトリックス(樹脂)からなり、それぞれに多数の種類がある。先ずそ れらを把握すると共に、その複合材料を適用して様々な製品を生産するためにどのような成 形方法や設備を用いて製造されるかを理解する。実際に実用化する際、製品の要求仕様(コ スト,品質等)を達成するために、その製造工程で必要とされる「生産技術」とは何かを授 業(講義)を通して自らが考える。更に、その学習の過程で、ものづくりに重要な「様々な 現象に対して発生原因の本質を探求する思考」の習慣を身に付ける。
授業の概要および学習上の助言
FRPに適用される強化繊維や樹脂の基本情報を教示し、そのFRPを適用した製品の各種成形方法を、実例を掲げながら説 明する。成形方法は、樹脂の種類(熱硬化性と熱可塑性)によって異なるので、各樹脂に応じた成形方法を個々に詳細に説明 する。特に、各種成形方法の特徴(メリット/技術課題)や技術のポイントと共に、用途に応じて好適な成形方法の選定理由な どを解説する。更に、量産の観点で製品を製造するための生産技術をそれぞれの成形方法に応じて説明し、学生自らも考え学 ばせる。また、技術開発時に必ず遭遇する技術課題や実験結果の不具合などに対する解決検討手順を把握させる。 また、CFRP成形品の後加工方法や部材間の接合技術についても、現状技術や今後の課題などを解説する。更に、事業化に 際し必要となる製造コストの算出方法も説明し、試算演習を通して具体的なコスト算出の基本手法/手順を理解させる。 実際に炭素繊維複合材料(CFRP)が適用されている航空機、自動車、スポーツ用途や一般産業用途の部材が、具体的にどの 様な成形方法や設備で製造されているのかの基礎知識を予習すると共に、興味や疑問も抱きながら講義を聴講する姿勢が重要 である。
教科書および参考書・リザーブドブック
授業は配布する講義資料を基に行うので、教科書は用いない。参考書としては、以下を推薦する。 ①「炭素繊維 複合化時代への挑戦」繊維社、井塚淑夫著、②「最先端プラスチック成形加工シリーズ第5巻 先端成形加工 技術Ⅱ」プラスチックスエージ社、③「とことんやさしい炭素繊維の本」日刊工業新聞社、平松徹著、④「CFRP〜製品応用・ 実用化に向けた技術と実際〜」情報機構社
履修に必要な予備知識や技能
複合材料を把握する前に樹脂単体によるプラスチック製品の各種成形原理/方法に関する予備知識を身に付けておくこと。 更に、それが樹脂の種類(熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂)によって、各プラスチック製品の特性、成形方法及び製造設備が大き く異なることも理解しておくこと。 また主要な強化繊維である炭素繊維やガラス繊維については、基礎的な一般知識(特に、力学特性や機能性)は凡そ把握してお くこと。
学生が達成すべき行動目標
No.
主要なFRP製品に構成されている様々な強化繊維やその中間基材の形態及び樹脂(種類や特性)を把握できていること。
様々なFRP製品への顧客の要求仕様(注)に好適な成形方法の選定や主要な製造設備(概要)の説明ができること。
各種成形方法に関し、講義を通してそれらの成形プロセスの特徴や製造時時に必要な「生産技術」を自ら学ぶこと。
FRPモデルの試作演習によりものづくりの困難さを実感し、本質思考の大切さを学ぶと共に今後の課題を考えること。
今後、複合材料を様々な一般産業分野に展開していくための(複合材料開発関係者の)検討課題を考えること。
(注)FRP製品への要求仕様=寸法, 形状, 数量, 物性, 品質, コスト等
達成度評価
評価方法 試験 クイズ
小テスト
レポート 成果発表
(口頭・実技)
作品 ポートフォリオ その他 合計
総合評価割合 40 20 30 0 0 0 10 100
評価の要点
評価方法 行動目標 評価の実施方法と注意点
試験 ・炭素繊維を中心とした強化繊維と中間基材及び熱硬化性樹脂CFRPの各種成形方法に関する理解度を 中間試験によって評価する。 ・熱可塑性樹脂適用のCFRPの各種成形方法及び生産技術(品質改善技術、低コスト化技術、自動化技術な ど)や後加工、接合技術等に関する理解度を期末試験によって評価する。 ・上記両試験とも、基本的には配布資料に記載した範囲内とする。
クイズ
小テスト
・PAN系,ピッチ系炭素繊維と中間基材及びCFRPの特徴(他の材料と対比して)、更に様々なCF RP製品の用途展開に関する理解度を小テストにて評価する。 ・CFRP成形品の製造コストを算出する方法を説明後、モデル部品による製造コスト試算の演習にて理 解度を評価する。
レポート ・熱硬化性樹脂CFRPの各種成形方法の特徴、技術のポイント及びその方法を適用した用途事例などに 関する講義結果をまとめてレポートとして提出させ、それを基に授業内容の理解度を評価する。 ・技術開発時に遭遇する技術課題や不具合/トラブルなどを解決する手法を実例を基に説明する。 その講義結果の理解度を評価するために、トラブル事例を与え、その解決手順をまとめてレポートとして 提出して貰う。
成果発表
(口頭・実技)
作品
ポートフォリオ
その他 ・各授業に対して予習/復習し、疑問点や理解不十分な点に関して、授業中やメールにて積極的に質問を すること。その質問の積極性や量及び質を評価する。即ち授業への取り組み姿勢を評価する。
具体的な達成の目安
理想的な達成レベルの目安 標準的な達成レベルの目安
・FRP製品の量産を行う場合、その生産に好適な構成材料や 成形方法の選定ができ、更に生産設備の仕様(概要)設定、納 期やコストなどの概算もできる。 ・また、選定した成形方法で生産する場合の具体的なキー技術 (所要設備、成形条件、加工プロセス等)の内容及び各製造工 程における生産技術のポイントや検討すべき主要な課題等が提 示できる。 ・上記事項を達成するための複合材料に関する比較的広範囲な 一般知識を保有し、且つ製造に関する凡その生産技術の理解が 出来ている。また、解決すべき技術課題に対して、検討手順を 説明できる。 ・FRPの様々な構成材料と各種の成形方法に関する基本的な 知識を保有し、特に各種成形方法の概要や特徴を説明できる。 ・成形品の試作や生産を行う場合、好適な成形方法の提案とそ の理由となる他の方法との比較評価が提示できる。 ・提案した成形方法によって実際に生産する場合、生産に必要 な設備、成形条件などの概略を提示でき、コストの概算を算出 できる。 また、具体的な実施手順や生産技術内容の基本的なポイントを 説明できる。 更に、解決すべき技術課題に対して、検討手順を説明できる。
授業明細
回数 学習内容 授業の運営方法 学習課題 予習・復習 時間:分
オリエンテーション:本講義(生産技術)に関する全 体の概要と講義の主旨や進め方などを説明する。 講義:はじめとして、炭素繊維の開発経緯や複合材料 製品の世界的な現状を説明した後、具体的な専門内容 である「1.炭素繊維の特徴と製造方法」の1.1 PAN系 炭素繊維とピッチ系炭素繊維の特徴の比較に関して説 明する。 講義、質疑、対話(クイズ形 式) 予習:炭素繊維及びCFRPの予 備知識を持って講義に臨むこと。 復習:炭素繊維の開発から実用化 までの経緯を把握、及びCFRP の用途展開の動向を理解し、CF RPが年々伸びていることを認識 すること。                                                                                           100
前回の続きとして、「1.炭素繊維の特徴と製造方法」 の1.2 PAN系炭素繊維の製造プロセスと1.3 各種強 化繊維の種類と特徴、及びCFRPと他の材料との比 較について講義する。 炭素繊維の特徴(物性や機能性)別に展開される様々 な用途の実状を紹介する。 特に、常識として把握しておくべき一般的に主要材料 については質問(クイズ形式)もする。 講義、質疑、対話(クイズ形 式) 予習:炭素繊維の基本的な製造プ ロセス(概要)を把握しておき、 予め質問を想定(準備)しておく 。 復習:PAN系,ピッチ系共に炭素繊 維の具体的な製造プロセスの理解 し、ポイント把握しておくこと。 100
2.中間基材の種類と特徴及び製法 FRPの強化繊維である中間基材に関し、次の項目に ついて説明する。 2.1ドライ基材とウェット基材の分類と特徴、2.2各種 中間基材の特徴及びそれらの各種製法。 また、FRP事業に関連し、上記の(新規な)中間基 材の開発を行ったり、更に事業化している近隣の企業 を紹介する。 講義、質疑、写真放映 予習:CFやGFを適用した中間 基材に当たる各種基材の種類を調 査しておく。 復習:FRPにとって重要な強化 繊維の基材をしっかり把握してお くために、講義資料を再読する。 100
前半は、第1〜3週までの理解度チェックのための小テ ストを実施し、振り返りを行う。 後半は、「3.各種成形方法について」を講義するた めに、先ず3.1 熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂適用の成 形方法分類 について、母材のマトリックス樹脂によ って製法がどのように異なるかを全体的な説明を行う 。 小テスト、振り返り、講義、 質疑 予習:第1〜3週までの講義資料を 熟読し、頭にしっかり整理してお くこと。 復習:小テストの理解度を確認す る。また、母材の樹脂の本質的な 違い(分子構造)を十分理解する 。 100
3.2 熱硬化性樹脂適用の各種成形方法と生産技術につ いて に関して、以下の2項目を講義する. (1)RTM成形方法の特徴と課題、(2)VaRTM成形 方法の特徴と課題 を実例を掲げながら、技術のポイ ントや製造プロセスなどを説明する。 両方法は適用する製品の量やサイズが大きく異なるの で、その理由などを理解することが重要。 講義、質疑、クイズ、写真/ 動画放映 予習:両方法の本質的な違いや適 用条件などを調査しておき、疑問 を整理し、質問を準備しておく。 復習:実用化に際し、事前に何を 準備しておく必要があるか整理す ること。 特に設備と技術面を中心に。 100
前週に続き、「3.2 熱硬化性樹脂適用の各種成形方法 と生産技術」の項目の(3)プリプレグ・オートクレ-ブ成形方 法の特徴と課題、及び(4)FW成形方法の特徴と課題 について講義する。 両方法は熱硬化性樹脂適用の代表的な成形方法である ため、特に十分に理解させるために実施例やその写真 などを多用して説明する。 講義、質疑、写真放映、クイ ズ 予習:FRPの代表的な両成形方法 に関する予備知識を得ておくこと 。 復習:各種のCFRP成形方法に 対して、両成形方法の何がメリッ トで何が課題かを理解するまで、 復習すること。 100
先々週からの、「3.2 熱硬化性樹脂適用の各種成形方 法と生産技術」の説明として(5)引抜成形方法の特徴 と課題、(6)SMC成形方法の特徴と課題について講 義する。 両方法は他の成形方法に比べ生産性が高く製造コスト が安い特徴があるが、その理由や適用ポイントを説明 する。 FRP成形の技術開発や事業化を行う近隣企業も紹介す る。 講義、質疑、写真/動画放映 予習:GFRPの製品も含めて、両成 形方法で実用化されている製品や 具体的な製法を調査しておく。 復習:熱硬化性樹脂の各種成形方 法(6種類)について、A3(書式は 指定)×2枚に整理し、レポート として提出すること。 100
第4週〜第7週までの理解度をチェックするために中間 試験を実施する(約80分)。終了後、解説と共に振り 返りを行う(約20分)。 但し、試験の内容はレポートとして提出する内容と直 結しているので、レポートの整理及びまとめの作成が 重要である。 中間試験、振り返り 予習:宿題のレポート(成形方法 の整理)作成を十分(詳細)に実 施しておくこと。 復習:試験結果を理解、反省し、 不十分な個所をチェックし、確認 すること。 100
「3.3 熱可塑性樹脂適用の各種成形方法と生産技術に ついて」に関し、(1)射出成形方法の特徴と課題及び( 2)スタンパブル(プレス)成形方法の特徴と課題について講 義する。 両方法は熱可塑性樹脂適用の場合の代表的成形方法で あるので、樹脂の違いで何が違うのかやそれらの方法 の適用理由などを論理的に説明する。 講義、質疑、写真/動画放映 予習:樹脂単体でも適用される両 成形方法の情報を整理しておく。 復習:熱可塑及び熱硬化樹脂の本 質的な違いによるFRP成形方法 の違いを十分把握し、説明できる ように理解しておくこと。 100
10 前週に続き、「3.3 熱可塑性樹脂適用の各種成形方法 と生産技術について」に関する説明であり、(3)近年 の革新成形方法(特にLFT-D成形法)の特徴や課題及 び(4)3Dプリンター技術の特徴や現状紹介 について 講義する。 特に、話題性が高い3Dプリンターについては世界的 な動向も説明する。  講義、質疑、写真/動画放映 予習:現在熱可塑性樹脂使いCF RPの革新的な成形方法の開発が 世界的に拡大しているので、新情 報を調査しておくこと。 復習:興味が沸く成形方法につい ては、自ら深く調査し、更なる技 術の進化を追求すること。 100
11 4. 製品の低コスト化及び製造工程の生産技術 4.1製造工程に関わる製造コストについて 製品の事業化において、製品の製造原価(コスト)の 算定は極めて重要である。その製品の低コスト化のた めに、製品の設計と共に製造工程のコスト低減策(生 産技術開発を行うなど)を図る必要がある。 その為、コスト低減以前にコスト自体を試算できる技 能が必要であるので、本講義として前半にコストの概 念や基礎知識の説明とコスト試算手順を説明する。 後半は、上記試算方法の把握度を深めるためと理解度 のチェックのために実例サンプル(製品)を題材にした 小テストを行う。 講義質疑、小テスト、振り返 り 予習:コストに関する一般的な( 常識的な)基礎知識を把握してお くこと。 復習:小テスト結果で理解度が解 るので、不十分な場合は完全に把 握するまで復習し、必ずコスト算 出手法は身につけること。 100
12 前週の「4.1製造工程に関わる製造コストについて」 の続きとして、4.2最近の低コスト製造技術(自動化な ど)、4.3製品化技術(後加工、接合方法)について 講義する。 特に、接合方法については熱可塑性樹脂使いのCFR Pの各種接合方法を中心に解説する。 後加工は、CFRPの汎用的な切断や研削などの現状 を説明する。 講義、質疑、写真/動画放映 予習:後加工や締結/接合の既存 技術(GFRP対象でも良い)を 調査して事前学習しておくこと。 復習:CFRTPの接合について は、接合理論・メカニズムまでを 把握すること。自らも調査するこ と。 100
13 5.技術開発課題や不具合/トラブルの解決方法につ いて 要素技術や生産技術を開発している過程で、特に新規 技術の開発だからこそ種々の開発課題や技術的不具合 /トラブルに遭遇する。 その不具合/トラブルを解決するための検討手順を、 実例を基に説明する。最後に一般的な技術課題に対す る解決検討手順をまとめる。 講義、質疑、写真 予習:技術開発時のトラブル解決 手段を予め考えておくこと。 復習:与えられた具体的なトラブ ル課題に対して、解決のための検 討手段をレポートとしてまとめ、 提出すること。 100
14 6.生産技術の事例紹介 実際の製造工程について、主要なアイテム毎に製造状 況を紹介する。 6.1複合材料製各種自動車部品の量産、6.2高速車両構 体の試作及び航空機部材の生産・組立、6.3その他主 要用途(風車ブレード、圧力容器)の生産 について 、写真や動画放映などを多用して説明する。 講義、質疑、写真/動画放映 予習:GFRPの製造工程も含め、既 存のFRP製造ラインを調査し理解 しておく。 復習:主要なCFRP製品のための製 造工程をしっかり理解し、FRPの 製造ラインを説明できるように把 握しておくこと。 100
15 中間試験以降(第9週以降)の講義を対象に、理解度チ ェックと振り返りを目的に期末試験を実施する。 最後に、「生産技術」自体や講義全体を振り返る。 期末試験実施、振り返り(FRP 製造工程における「生産技術 」及び本講義全体を対象) 予習:期末試験に向けて、第9週 以降の講義資料を再読し復習して おく。 復習:期末試験受講により理解不 足の技術要素や用途アイテムなど が判明した場合は、不十分個所が 無い様に習得しておくこと。 100