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学習支援計画書(シラバス) 検索システム
バイオ・化学専攻
対象課程 科目名 単位数 科目コード 開講時期 授業科目区分
博士前期課程(修士課程)
酵素工学統合特論
Advanced Project Lab in Enzyme Engineering
4 2777-01 2024年度
前学期
関係科目
担当教員名
授業科目の学習・教育目標
キーワード 学習・教育目標
1.微生物 2.酵素 3.スクリーニング 4.酵素学的諸性質 5.活性測定 世の中では醗酵による組換え有用物質の生産、バイオコンバージョンによる物質生産を微生 物を利用して行っている。バイオ工学統合特論では講義により、微生物の特性や物質生産、 或は遺伝子工学に関連した知識を習得する。また、講義内容に付随した実験を行うことで、 得た知識を駆使、工夫しながら実践を通して個人技能のスキルアップを行う。自ら実験のス トラテジーを立案して実行することで、幅広い考察を行うことができるようにする。
授業の概要および学習上の助言
我々の日常生活品、特に食品や医薬品といったものは、微生物そのもの、或は微生物の機能を利用して製造(バイオリアクタ ー)しているものが殆んどである。味噌、醤油を始めとした醗酵食品、ホルモンや抗生物質などの医薬品、アミノ酸や異性化 糖、油脂といった食品原料や添加物などである。したがって、微生物そのものを理解することやその特性、生理を理解するこ とは、バイオ工学を学習する上で必要不可欠な要素となっている。現代では、遺伝子工学的あるいはタンパク質工学的手法を 用いてより高機能化、高生産化された微生物の培養システムが構築されている。よって、遺伝子工学、分子生物学、タンパク 質工学などの分野の知識も要求される。 本科目では上記に関する知識を習得した上で、有用物質を生産する微生物を自然界からスクリーニングする方法、得られた微 生物を純粋培養し、その培養を制御する方法、培養液中の有用物質を測定する方法など、実践的なバイオ工学を学習する。 微生物の取り扱い方、培地、培養方法、活性測定法など予め理解しておくことが必要で、学部生時代に受講した、生物化学、 遺伝子工学、微生物工学、バイオ工学、有機化学などで学んだ基礎知識をよく復習しておくことを勧める。 外部講師の都合により、提示されている実験内容がシフトする場合もある。授業における説明を注意して聞くように。
教科書および参考書・リザーブドブック
使用しない
履修に必要な予備知識や技能
基礎的な微生物学、生物化学、バイオ工学および遺伝子工学などの知識や専門実験(生物実験)で行った生物の取り扱い技術 が、履修に必要である。注意事項としては、爪は短く切り、長髪は束ねるなどをして、身だしなみを整える。実験室の前室で の白衣への着替え、下履きへの履き替え、手洗いを行い清潔に保つこと。
学生が達成すべき行動目標
No.
微生物実験を行うための安全・ルールを理解し、定められた服装で作業手順通りに、安全に実験を行うことができる。
目的酵素やタンパク質を自然界あるいは市販商品からスクリーニングすることができる。
酵素の酵素学的な諸性質について評価することができる。
最適な酵素反応条件を調べて設定することができる。
実験手順・結果を的確に記録し、定められた形式で実験レポートを作成し、口頭発表により第三者に説明ができる。
達成度評価
評価方法 試験 クイズ
小テスト
レポート 成果発表
(口頭・実技)
作品 ポートフォリオ その他 合計
総合評価割合 0 0 50 30 0 0 20 100
評価の要点
評価方法 行動目標 評価の実施方法と注意点
試験
クイズ
小テスト
レポート レポートを2回提出する。前半の酵素化学的な解析では、目的、実験方法、結果、考察、参考文献が書式 を守られ記載されているか、適切な専門用語が使用されているか、論理的な考察がなされているかを判断 基準とするので、専門用語の習得と理解をすることが必要となる。
成果発表
(口頭・実技)
授業で行った内容が簡潔・明瞭で分かりやすくまとめられているか、質疑応答に正しく答えられているか を2回のプレゼンテーションを通じて評価する。
作品
ポートフォリオ
その他 授業態度や積極性を評価するとともに、外部講師の講演に関して積極的な参加姿勢も評価の対象とする。 講演内容を事前に予習して知識を得ておくことが大切である。
具体的な達成の目安
理想的な達成レベルの目安 標準的な達成レベルの目安
●生物実験を行う為の定められた服装で、作業手順を守って 安全に実験を行うことが、自主的にできる。 ●微生物のスクリーニングから培養までの技術を習得し、結果 をまとめ、考察できる。 ●酵素活性測定を正確に測定し、測定原理を説明することがで きる。 ●実験内容・結果を実験ノートに的確に記録し、定められた形 式で実験レポートを作成し、第三者に分かりやすく説明するこ とができる。 ●生物実験を行う為の定められた服装で、作業手順を守って 安全に実験を行うことができる。 ●微生物のスクリーニングから培養までの技術を習得し、結果 をまとめることができる。 ●酵素活性測定を正確に測定し、測定原理を理解することがで きる。 ●実験内容・結果を実験ノートに的確に記録し、定められた形 式で実験レポートを作成し、第三者に説明することができる。
※学習課題の時間欄には、指定された学習課題に要する標準的な時間を記載してあります。日々の自学自習時間全体としては、各授業に応じた時間(例えば2単位科目の場合、予習2時間・復習2時間/週)を取るよう努めてください。詳しくは教員の指導に従って下さい。
授業明細
回数 学習内容 授業の運営方法 学習課題 予習・復習 時間:分※
1,2回 ガイダンス ●ガイダンス(安全教育と実験器具・機器の取り扱い )、レポートの書き方 予定 講義 生化学、微生物学、遺伝子工学、 分子生物学、生物学の基礎を予習 90
3,4回 酵素について ●工業用酵素のプロテアーゼ・セルラーゼ・アミラー ゼを本モジュールの題材とする。 プロテアーゼ・セルラーゼ・アミラーゼ解析の解説と 準備 講義・実験 酵素についての知識習得 90
5,6回 実験材料の調製 ・緩衝液の調製・ペーパーディスク、ピンセットの滅 菌処理 ・使用プレートの作製方法立案(酸性、中性、アルカ リプレート)と商品からの抽出溶液調製方法を立案す る。 講義・実験 緩衝液とpHに関する理解 90
7,8回 プレート作製と酵素評価 ●基本事項の講義 プロテアーゼ・セルラーゼ・アミ ラーゼ配合商品を持参する。 ・プレート作製および持参商品からの酵素抽出と酵素 のプレートへの酵素液添着を行う。 講義と実験 商品と酵素の調査 90
9,10回 酵素特性の測定 pH ●プロテアーゼ・セルラーゼ・アミラーゼの活性測定 ・抽出酵素溶液を用いた最適反応pHの測定 講義と実験 酵素のpH特性の理解 90
11,12 回 酵素特性の測定 温度 ●抽出酵素溶液を用いた最適反応温度の検討と温度安 定性評価 これまでの実験結果をまとめ、プレゼン資料の準備を 行う。 講義と実験 酵素の温度特性の理解 90
13,14 回 中間発表 ●中間発表およびレポート1提出 プレゼンテーション レポート提出 プレゼン準備 120
15,16 回 外部講師による講演(予定) ●講師の予定により週が変更される場合あり。 講演聴講 質疑応答 講演内容の業界や研究技術の予習 60
17,18 回 タンパク質定量 ●持ち寄り試料のタンパク質定量 ・基本事項の講義、-20℃で保存してある粗酵素液中 のタンパク質を定量して、比活性を求める。 講義と実験 タンパク質定量方法の理解 90
19,20 回 SDS-PAGE(タンパク質の分子量)電気泳動 ●SDS-PAGE電気泳動 ・基本事項の講義、各種持ち寄った試料の電気泳動に て分離し、解析する。 講義と授業 SDS-PAGE電気泳動に関する理解 90
21,22 回 native PAGE(タンパク質の変性なし)電気泳動 ●native PAGE電気泳動 ・基本事項の講義、各種持ち寄った試料の電気泳動に て分離し、解析する。 講義と実験 native PAGE電気泳動に関する理 解 90
23,24 回 未知酵素剤の判別1 ●これまで学習した実験で未知酵素剤を判別する実験 を行う。 講義と実験 これまでの復習1 90
25,26 回 未知酵素剤の判別2 ●これまで学習した実験で未知酵素剤を判別する12回 目とは異なる実験を行う。 講義と実験 これまでの復習2 90
27,28 回 外部講師による講演(予定) ●講師の予定により週が変更される場合あり。 これまでの実験結果をまとめ、プレゼン資料の準備を 行う。 講演聴講 質疑応答 講演内容の業界や研究技術の予習 90
29,30 回 プレゼン2、レポート2提出 ●レポート2提出とプレゼンテーション2 プレゼンテーションとレポー ト提出 自己点検 プレゼン準備 レポート作成 120