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学習支援計画書(シラバス) 検索システム
機械工学専攻
対象課程 科目名 単位数 科目コード 開講時期 授業科目区分
博士前期課程(修士課程)
先端塑性加工特論
Advanced Plastic Processing
1 2138-01 2024年度
後学期
関係科目
担当教員名
授業科目の学習・教育目標
キーワード 学習・教育目標
1.塑性加工 2.材料特性 3.トライボロジー 4.応力とひずみ 5.塑性力学 塑性加工は,短時間で大変形可能な高生産性に優れる加工法であり,ものづくりの根幹とも 言える.加工法は,圧延,鍛造,板成形などに分類されるが,素材の変形能に頼る側面もあ り,材料選定と適正加工条件の設定が必要とされる.本科目では,塑性加工法,材料特性と その利用,加工のトライボロジーについて学ぶ.また,応力とひずみ関係を数式化し,変形 を理論的にとらえ,弾性力学から塑性力学への展開を図る.
授業の概要および学習上の助言
本科目は,以下について学習する.  1.ものづくりの基本      材料と加工など  2.塑性加工法         圧延,鍛造,プレス成形,せん断,曲げなど  3.材料の性質とその利用法   金属材料の性質,変形抵抗など  4.塑性加工のトライボロジー  摩擦,潤滑,プロセストライボロジーなど  5.塑性力学の基礎       応力状態と応力成分,降伏条件式,構成式など  6.二次成形          熱成形など 以上のように,材料特性を正しく理解し,材料の持つ変形能を考慮しながら,最適な加工,加工条件,生産プロセスを設定で きる能力を養う.
教科書および参考書・リザーブドブック
教科書:指定なし,必要に応じて資料を配付する. 参考書:基礎生産加工学[朝倉書店] リザーブドブック 指定なし
履修に必要な予備知識や技能
本科目は学部教育での「材料科学Ⅰ」,「材料科学Ⅱ」および「応力とひずみ」に関する内容を十分に理解していること前提 に講義を行う. 講義内で演習を行う場合があるので関数電卓を持参すること.
学生が達成すべき行動目標
No.
塑性加工の意義を理解し,加工製品の用途,特徴を説明できる.
圧延,せん断,曲げ,深絞り,鍛造の各加工法を説明できる.
金属の結晶構造,加工硬化,熱処理の内容を説明できる.
真応力,真ひずみの概念が理解でき基礎的な構成式を誘導することができる.
一次成形と二次成形を含めた生産プロセスを説明できる.
加工に及ぼす潤滑の影響を説明できる.
達成度評価
評価方法 試験 クイズ
小テスト
レポート 成果発表
(口頭・実技)
作品 ポートフォリオ その他 合計
総合評価割合 0 60 40 0 0 0 0 100
評価の要点
評価方法 行動目標 評価の実施方法と注意点
試験
クイズ
小テスト
小テストは,講義内容の理解度を確認するために行う.関数電卓を持参すること.
レポート 塑性加工によるものづくりプロセスにおける材料特性の考え方,製造方法に関する内容で指示する.
成果発表
(口頭・実技)
作品
ポートフォリオ
その他
具体的な達成の目安
理想的な達成レベルの目安 標準的な達成レベルの目安
①塑性加工の特徴を他の加工法との比較をふまえて説明できる . ②代表的な加工法について,加工荷重,加工度を算出できる. ③代表的な金属材料について結晶構造の違いが塑性変形に及ぼ す影響を説明できる. ④応力-ひずみ関係式より,各種応力成分,ひずみ成分を導出 できる. ⑤一次成形と二次成形の代表的な加工法を挙げ,関連を具体的 に説明できる. ⑥加工における潤滑と摩擦係数の変化,製品性状に及ぼす影響 を説明できる. ①塑性加工の特徴を説明できる. ②それぞれの加工法の適用用途を説明できる. ③代表的な金属材料について結晶構造の違いを説明できる. ④真応力,真ひずみを計算できる. ⑤各種加工法を一次成形と二次成形に大別できる. ⑥加工における潤滑法を挙げることができる.
※学習課題の時間欄には、指定された学習課題に要する標準的な時間を記載してあります。日々の自学自習時間全体としては、各授業に応じた時間(例えば2単位科目の場合、予習2時間・復習2時間/週)を取るよう努めてください。詳しくは教員の指導に従って下さい。
授業明細
回数 学習内容 授業の運営方法 学習課題 予習・復習 時間:分※
1 【ガイダンス】 ・塑性加工の概念,素材と製品のつながりを理解する . ・学習支援計画書を基に科目の学習目標,概要や行動 目標を理解する.特にこの科目が機械工学のどのよう な分野を担っているのか理解する. 【塑性加工のはたらき】 ・周辺にある加工した製品を理解する. ・使用目的や持つべき性質を理解する. ガイダンス 講義と質疑 ・塑性加工の概要 ・材料と素材 ・他の加工法との違い レポート課題提示 自己点検 【予習】 ・材料科学Ⅰ,材料科学Ⅱの内容 ・応力とひずみ 【復習】 ・学習・教育目標と本科目との関 連の理解 ・シラバスの確認 ・授業運営日程の確認 ・塑性加工の特徴 60 40
2 【素形材のつくり方】 ・圧延機,熱間・冷間圧延の違い,変形の基本式を理 解する. ・形・棒・線材の種類,孔形の意味,製造法を理解する . 講義と質疑 ・圧延加工の特徴 ・加工温度範囲の定義 ・圧延理論 ・板圧延の荷重算出 ・形材圧延 ・引抜き ・押出 自己点検 【予習】 ・加工の際の温度範囲 【復習】 ・素形材の定義 ・圧延加工の特徴 30 60
3 【主要な塑性加工法】 ・板成形加工を理解する. ・せん断加工を理解する. ・鍛造加工を理解する. 小テスト1 ※小テストの実施時期・回数は授業進捗に応じて変 更するので別途指示する.  講義と質疑 ・プレス成形 ・曲げ加工 ・限界絞り比 ・せん断加工 ・鍛造加工の特徴 ・自由鍛造と型鍛造 ・鍛造に必要な荷重 自己点検 【予習】 ・各種荷重の定義 【復習】 ・板成形と鍛造の違い ・負荷方向の区別 40 50
4 【材料の性質とその利用法】 ・金属の結晶構造,塑性変形の機構を理解する. ・加工と加熱による材料内部の変化を理解する. 講義と質疑 ・結構構造 ・転位 ・加工硬化 ・熱処理の種類 ・組織変化 ・加工熱処理 自己点検 【予習】 ・材料科学Ⅰ,材料科学Ⅱの内容 【復習】 ・塑性変形と転位の関係 ・熱処理による組織変化 40 50
5 【塑性力学の基礎】 ・応力,ひずみの概念を理解する. ・n乗硬化則に基づく材料の変形抵抗を推定するとと もに,主要な材料について評価する. ・応力,ひずみの関係式(構成式)を理解する. 小テスト2 ※小テストの実施時期・回数は授業進捗に応じて変 更するので別途指示する.  講義と質疑 ・降伏条件 ・n乗硬化則の導出 ・弾塑性構成式 ・剛塑性構成式 自己点検 【予習】 ・応力とひずみの関係 ・荷重と応力,変位とひずみ ・応力-ひずみ線図の見方 【復習】 ・応力-ひずみ線図から得られる 情報 ・降伏条件 ・弾塑性と剛塑性の違い ・構成式の定義 40 60
6 【生産プロセス】 ・一次成形と二次成形のつながりを理解する. ・加工におけるトライボロジーを理解する. 講義と質疑 ・生産プロセス ・加工における潤滑と摩擦 自己点検 【予習】 ・摩擦について 【復習】 ・加工工程の考え方 ・潤滑と摩擦 30 50
7 【振り返り授業】 小テストの返却と解説を行う.さらに,提出されたレ ポートについて,発表と討論を行う.また,小テスト ,レポートについて自己点検し,今後の学習 計画を立案する. これまでの課題の解説,出 席日数確認など.   総合的な達成度を自己点検し ,次に続く科目と関連付ける .   自己点検 【復習】 ・これまでの学習内容の確認 60