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学習支援計画書(シラバス) 検索システム
機械工学専攻
対象課程 科目名 単位数 科目コード 開講時期 授業科目区分
博士前期課程(修士課程)
極限環境材料特論
Materials for Extreme Environments
1 2144-01 2024年度
後学期
関係科目
担当教員名
授業科目の学習・教育目標
キーワード 学習・教育目標
1.高温酸化 2.熱力学 3.純金属の酸化 4.合金の酸化 5.高温耐食合金 火力発電所のタービン等の高温で使用される材料には,高温耐食性と高温強度が求められる .本科目では,高温耐食性に着目し,高温酸化の基礎および耐食性制御方法を修得する.講 義内容は熱力学の考え方,酸化機構,純金属の酸化,合金の酸化を修得し,高温使用される 材料を適切に選択できるようになる.
授業の概要および学習上の助言
高温環境で使用される材料に関して下記の項目を学習する. ・高温酸化現象 ・高温酸化の熱力学的基礎 ・酸化物の欠陥構造と拡散 ・高温酸化の動力学 ・純金属の酸化(Ni, Fe, Nb, W) ・合金の酸化現象(外部酸化と内部酸化) ・耐熱合金 理解度を確認する小テストと理解を深めるためのレポート課題を課す.
教科書および参考書・リザーブドブック
教科書:指定なし 参考書:指定なし リザーブドブック 指定なし
履修に必要な予備知識や技能
本講義は学部で学んだ材料科学Ⅰの理解を前提に進める.現象やしくみの理解に熱力学の知識も必要となる.熱力学状態関数 U,H,G,Fや状態変数V,P,T,Sなどの関係を復習しておくこと.
学生が達成すべき行動目標
No.
高温酸化の原理を熱力学の観点から理解する.
高温酸化の理論(Wagnerの酸化理論)を理解する.
純金属の酸化機構を理解する.
合金の酸化機構を理解する.特に内部酸化から外部酸化への遷移機構を説明できるようになる.
実際の耐熱合金の考え方を理解し,実問題での適用を考察する.
達成度評価
評価方法 試験 クイズ
小テスト
レポート 成果発表
(口頭・実技)
作品 ポートフォリオ その他 合計
総合評価割合 30 0 60 0 0 0 10 100
評価の要点
評価方法 行動目標 評価の実施方法と注意点
試験 期間内に1回の中間試験を実施する
クイズ
小テスト
レポート 高温酸化の理解に必要な原理に関するレポート課題を与える
成果発表
(口頭・実技)
作品
ポートフォリオ
その他
具体的な達成の目安
理想的な達成レベルの目安 標準的な達成レベルの目安
①高温酸化現象が自由エネルギー変化との関係を説明でき,さ らにエリンガム図で金属の酸化挙動を説明できる. ②Wagnerの純金属の酸化理論を説明できる. ③Ni,Fe,W,Nbの純金属の酸化機構を説明できる. ④合金鋼の内部酸化,外部酸化および内部酸化から外部酸化へ の遷移機構を説明できる. ⑤耐熱合金の原理を理解し,高温で使用される材料を適切に選 択できる. ①高温酸化現象が自由エネルギーを下げる方向への反応である ことを理解し,エリンガム図を使うことができる. ②酸化物内のイオンの輸送で酸化が進行することを理解できる . ③Ni,Feの酸化機構を理解できる. ④合金の内部酸化と外部酸化の違いを理解できる. ⑤耐熱合金に安定な外部酸化皮膜が利用されていることを理解 できる.
※学習課題の時間欄には、指定された学習課題に要する標準的な時間を記載してあります。日々の自学自習時間全体としては、各授業に応じた時間(例えば2単位科目の場合、予習2時間・復習2時間/週)を取るよう努めてください。詳しくは教員の指導に従って下さい。
授業明細
回数 学習内容 授業の運営方法 学習課題 予習・復習 時間:分※
1 【授業】 本科目での教育目標を理解する.工学分野で高温材料 が担う役割を把握する. 高温材料に求められる特性と高温酸化現象を理解する . 授業と質疑 材料科学Ⅰでの材料に関する基礎 知識および熱力学関数を学部の教 科書や講義資料で復習しておく. 60
2 【授業】 高温酸化の基礎となる熱力学の考え(ギブスの自由エ ネルギーやエリンガム図等)を理解する. 授業と質疑 60
3 【授業】 高温酸化の動力学,酸化物の欠陥構造とイオンの拡散 現象を理解する. 授業と質疑 レポート課題1を提示 120
4 【振り返り】レポート課題1を解説し,熱力学の理解 を深める. 【授業】 Wagnerの酸化理論を修得し,純金属(Ni, Fe,Mo,W)の 酸化機を理解する. 授業と質疑 120
5 【授業】 合金の酸化(内部酸化および外部酸化)を理解し,Ni -Cr, Fe-Cr系での酸化挙動を理解する. 中間試験 授業と質疑 レポート課題2を提示 120
6 【振り返り】中間試験を解説し,熱力学および酸化機 構の理解を深める 【授業】 耐熱合金および高温耐食技術を理解する 授業と質疑 60
7 【振り返り】レポート課題2を解説する.授業全体を 振り返り,純金属や合金の酸化機構の理解を深める. 授業と質疑 60
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