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学習支援計画書(シラバス) 検索システム
高信頼ものづくり専攻
対象課程 科目名 単位数 科目コード 開講時期 授業科目区分
博士前期課程(修士課程)
複合材料工学特論
Composite Materials for Mechanical Engineering
2 8525-01 2024年度
後学期
関係科目
担当教員名
授業科目の学習・教育目標
キーワード 学習・教育目標
1.複合材料 2.積層理論 3.複合則 4.損傷・破壊 5.界面 炭素繊維強化プラスチックをはじめとする先進複合材料は、最新の宇宙・航空機構造に適用 されており、自動車一次構造やインフラ構造物への応用も盛んに検討されている。持続可能 な社会の構築のためには、複合材料の特徴を活かした設計をおこなうことのできる高度専門 応用能力・高度システム化能力を持った人材の育成が求められている。本科目では、力学特 性・機能発現メカニズムを統合的に理解した複合材料構造の設計ができるようになるために 、複合則から積層理論や損傷・破壊理論に至る複合材料に関する力学・知識を習得する。
授業の概要および学習上の助言
複合効果の考え方にはじまって、複合材料の分類・特徴、微視構造にも考慮した変形・破壊特性およびそれらの予測法等につ いて、各回で学ぶ内容(下記参照)を一連の知識として結び付けながら深く理解することを目指す。変形・破壊特性の予測法 については、修士研究の遂行や将来的な複合材料設計に活かすことができるよう、演習を交えて理解を深める。 1.複合効果、強化材と母材  2.複合則         3.エシェルビーの等価介在物理論 4.積層理論         5.強化繊維の強度分布   6.界面の力学 7.複合材料の損傷・破壊基準 学部で学んだ様々な材料関連科目の知識を活かしながら、複合材料の力学を学ぶ姿勢がもっとも重要である。そのため、工業 力学・材料力学・材料科学に立ち戻って理解を構築すること。参考図書等を自ら活用して、より深く理解するよう努力するこ とを期待する。 ・授業は、原則として、講義・演習・質問・討論等により実施する。 ・予習については、授業時に質問・討論,演習ができるように、参考書などの該当部分を良く読んで授業に臨むこと。復習に ついては、配布資料・ノートなどを見直して、充分理解することが強く期待される。
教科書および参考書・リザーブドブック
教科書:入門 複合材料の力学 [培風館] 参考書:複合材料入門[改訂版] [培風館]、機械システム入門シリーズ8 複合材料 [共立出版] リザーブドブック:指定なし
履修に必要な予備知識や技能
講義内容をよく理解するには、工業力学で学んだ力のつりあいをはじめとして、材料力学全般・材料科学全般の知識が要求さ れるので、各自よく復習し理解しておくことが望ましい。また、行列計算・対数・超関数・微分方程式に習熟している必要が ある。新しく、テンソルの概念に触れる心構えも必要である。
学生が達成すべき行動目標
No.
複合材料における複合効果の考え方や微視構造設計アプローチを説明できる。
複合則について説明でき、一方向繊維強化複合材料の変形特性を予測できる。
エシェルビーの等価介在物理論について説明でき、粒子分散型複合材料の変形特性を予測できる。
積層理論について説明でき、複合材料積層板の変形特性を予測できる。
強化繊維の強度分布や界面の力学挙動について説明でき、複合材料の破壊特性を予測できる。
達成度評価
評価方法 試験 クイズ
小テスト
レポート 成果発表
(口頭・実技)
作品 ポートフォリオ その他 合計
総合評価割合 20 0 80 0 0 0 0 100
評価の要点
評価方法 行動目標 評価の実施方法と注意点
試験 第9週に実施する達成度確認中間試験および第14週に実施する達成度確認試験にて評価する。
クイズ
小テスト
レポート 8回の演習により評価することを予定している。
成果発表
(口頭・実技)
作品
ポートフォリオ
その他
具体的な達成の目安
理想的な達成レベルの目安 標準的な達成レベルの目安
複合材料の力学を深く理解し、変形・破壊特性の予測および評 価に基づいて、高性能・高機能を実現する成形法を選択し最適 な微視構造を設計することができる。 複合材料における複合効果の考え方や成形法を説明できる。複 合材料の変形・破壊特性を予測し評価することができる。
※学習課題の時間欄には、指定された学習課題に要する標準的な時間を記載してあります。日々の自学自習時間全体としては、各授業に応じた時間(例えば2単位科目の場合、予習2時間・復習2時間/週)を取るよう努めてください。詳しくは教員の指導に従って下さい。
授業明細
回数 学習内容 授業の運営方法 学習課題 予習・復習 時間:分※
1 「学習支援計画書の説明」「複合効果」「強化材と母 材」 本科目の講義方針および「複合材料工学特論」の全体 像を解説し、複合材料を理解する上での基本概念を説 明する。また、複合材料に分類される材料にはどのよ うなものがあるか、複合効果とは何か、について強化 材と母材の観点から解説する。講義の最後に振り返り をおこなう。 講義、質疑、振り返り 複合材料工学に関連する予習をし ておく。 理解不足の点を復習する。 100 100
2 「複合則」 複合材料の変形・破壊特性を構成素材の特性から予測 する方法について解説する。講義の最後に振り返りを おこなう。 講義、質疑、振り返り 講義内容に関連する知識について 予習しておく。 理解不足の点について復習する。 100 100
3 「複合則に関する演習」 複合則に関する演習をおこなう。 演習、質疑 第2週の内容を復習する。 演習問題解答を仕上げて提出する 。 100 100
4 「エシェルビーの等価介在物理論」 複合材料の剛性を精度良く予測することができる思考 実験であるエシェルビーの等価介在物理論について解 説する。講義の最後に振り返りをおこなう。 講義、質疑、振り返り 講義内容に関連する知識について 予習しておく。 理解不足の点について復習する。 100 100
5 「エシェルビーの等価介在物理論に関する演習」 エシェルビーの等価介在物理論に関する演習をおこな う。 演習、質疑 第4週の内容を復習する。 演習問題解答を仕上げて提出する 。 100 100
6 「積層理論」 複合材料は、積層構造として利用されることが多く、 積層板の力学特性を予測する手法である積層理論の理 解は必須であるため、積層理論について解説する。講 義の最後に振り返りをおこなう。 講義、質疑、振り返り 講義内容に関連する知識について 予習しておく。 理解不足の点について復習する。 100 100
7 「積層理論に関する演習①」 導出した積層理論を用いて、積層構造の設計演習をお こなう。複合則・積層理論に基づいて、要求される変 形特性を実現し得る微視構造・積層構成を設計する演 習をおこなう。 演習、質疑 第6週の内容を復習する。 演習問題解答を仕上げて提出する 。 100 100
8 「積層理論に関する演習②」 導出した積層理論を用いて、積層構造の設計演習をお こなう。複合則・積層理論に基づいて、要求される変 形特性を実現し得る微視構造・積層構成を設計する演 習をおこなう。講義の最後に振り返りをおこなう。 演習、質疑、振り返り 第6週の内容を復習する。 演習問題解答を仕上げて提出する 。 100 100
9 「達成度確認中間試験」 第1回から第8回の内容について筆記試験を実施し、 その理解度を確認する。また、試験問題の解説をおこ なう。 試験、解説 第1回から第8回の内容を復習す る。 理解不足の点について復習する。 200 100
10 「強化繊維の強度分布」 強化繊維の強度分布を与えるワイブル最弱リンク理論 について解説し、実際の繊維強度試験結果に適用する 演習をおこなう。講義の最後に振り返りをおこなう。 「樹脂の変形・破壊特性」 繊維強化プラスチックの母材である樹脂の変形・破壊 挙動について解説する。講義の最後に振り返りをおこ なう。 講義、質疑、振り返り 講義内容に関連する知識について 予習しておく。 理解不足の点について復習すると ともに、演習問題解答を仕上げて 次回に提出する。 100 100
11 「強化繊維の強度分布に関する演習」 強化繊維の強度分布を与えるワイブル最弱リンク理論 を実際の繊維強度試験結果に適用する演習をおこなう 。 演習、質疑 第10週の内容を復習する。 演習問題解答を仕上げて提出する 。 100 100
12 「界面の力学」 複合材料の力学特性発現メカニズムに大きな役割を果 たしている強化材と母材の界面における力学について 解説する。講義の最後に振り返りをおこなう。 講義、質疑、振り返り 講義内容に関連する知識について 予習しておく。 理解不足の点について復習する。 100 100
13 「複合材料の損傷・破壊基準」 複合材料の種々の損傷・破壊を支配する基準について 解説する。講義の最後に振り返りをおこなう。 「複合材料の損傷・破壊基準に関する演習」 複合材料の種々の損傷・破壊を支配する基準を実際の 複合材料破壊試験結果に適用する演習をおこなう。提 供する実際の各種強度試験データに基づいて、複合材 料の変形・破壊挙動を整理する演習をおこなう。 講義、質疑、演習、振り返り 理解不足の点について復習する。 演習問題解答を仕上げて提出する 。 100 100
14 「達成度確認試験」 第10回から第13回の講義内容について筆記試験を 実施し、その理解度を確認する。また、試験問題の解 説をおこなう。 試験、解説 第10回から第13回の内容を復 習する。 理解不足の点について復習する。 200 100
15 「自己点検授業」 全体の振り返りをおこなう。各自の達成度について自 己点検と確認をおこなう。 自己点検 総合的な復習により理解を深める 。 200