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学習支援計画書(シラバス) 検索システム
臨床心理学専攻
対象課程 科目名 単位数 科目コード 開講時期 授業科目区分
修士課程
臨床心理査定演習Ⅱ
Psychological Assessment II
2 8930-01 2024年度
後学期
関係科目
担当教員名
授業科目の学習・教育目標
キーワード 学習・教育目標
1.投映法 2.ロールシャッハ・テスト 3.包括システム 4.テスト・バッテリー  心理検査の中の投映法について学習するとともに、心理検査の基本的な知識やテストバッ テリーの考え方を身につける。代表的な投映法の一つであるロールシャッハ・テストについ ては実施から結果の整理、解釈、報告書の作成までを目指す。
授業の概要および学習上の助言
   投映法の概説およびロールシャッハ・テストの歴史等の講義で基本的な知識を身につける(小テスト)。この後、ロールシ ャッハ・テストの演習を開始する。  実施については解説の後、ロールプレイ形式で検査者を経験し、検査時に注意すべき点や適切な教示の仕方、被検査者の観 察などについて指導する。教示の仕方、検査の進め方、質問の適否などを、実施時の観察と逐語記録などによって確認する。  得られた反応を適切に記号化することは、解釈の大前提となるため重要である。授業での解説の他、実際のプロトコルの記 号化、練習問題を繰り返し行い、様々なケースにあたることが必要である。また構造一覧表の作成を通して、解釈に必要な多 くの指標とその内容・構成について学ぶ。  次に構造一覧表をもとにして解釈していく手順を指導する。各指標とその数値のもつ意味を、おもに実際の事例を通して理 解していく。自分のプロトコルの他、テキストや論文の事例、担当者が提示する事例、自分が施行した事例などできるだけ多 くの事例検討を取り入れていく。  検査の解釈は目的に応じた表現や形式で報告されなければならない。報告書に記述すべき内容を適宜選択して構成できるこ とが望ましい。レポートでは、自分自身が受けたロールシャッハ・テスト結果もしくは指定の事例の結果を解釈し、報告書ま で作成して提出する。これにはプロトコルの逐語記録、構造一覧表、解釈結果、まとめの報告書などが含まれる。  テストバッテリーについて解説する講義を行う。スケジュールは演習の進捗状況で調整する。
教科書および参考書・リザーブドブック
教科書① 中村紀子 2010 ロールシャッハ・テスト講義Ⅰ 基礎編 金剛出版 教科書② 中村紀子 2016 ロールシャッハ・テスト講義Ⅱ 解釈編 金剛出版 参考書①  ジョン・E・エクスナー(中村紀子、野田昌道監訳)2009 ロールシャッハ・テスト 金剛出版 参考書②  包括システムによる日本ロールシャッハ学会認定資格委員会 2023 ロールシャッハ実践ガイド 金剛出版
履修に必要な予備知識や技能
臨床心理査定演習Ⅰを履修していること。 授業が開始される時期までに、受講生はロールシャッハ・テストを受検しておくこと。
学生が達成すべき行動目標
No.
投映法の主な心理検査について、またテストバッテリーについて簡潔に説明できる。
ロールシャッハ・テストの概要を説明できる。
ロールシャッハ・テストの実施を正しく行うことができる。
反応の記号化を正確に行うことができる。
構造一覧表を作成することができる。
ひとつのプロトコルを解釈し、パーソナリティの特徴について報告書を作成できる。
達成度評価
評価方法 試験 クイズ
小テスト
レポート 成果発表
(口頭・実技)
作品 ポートフォリオ その他 合計
総合評価割合 20 20 60 0 0 0 0 100
評価の要点
評価方法 行動目標 評価の実施方法と注意点
試験 正しく実施できているか、コーディングが正しく理解されているか、提出されたプロトコルの記録で評価 する。20点
クイズ
小テスト
小テストは投映法とロールシャッハ・テストの概要を簡潔にまとめたものを評価する。20点
レポート ひとつのプロトコルについて、コーディング、構造一覧表の作成、結果の分析と解釈を行い、レポートと して提出されたものを評価する。 配点は構造一覧表の作成(20)、レポート本文(40)
成果発表
(口頭・実技)
作品
ポートフォリオ
その他
具体的な達成の目安
理想的な達成レベルの目安 標準的な達成レベルの目安
 標準的な達成レベルよりも、心理検査の進め方が洗練されて おり解釈においても、より詳細な人物描写やパーソナリティの 特徴を報告できる。また目的に応じた報告の書き方ができる。  決められた手順や教示を守って心理検査を実施することがで き、得られた結果の整理に間違いがない。またステップにした がって積み上げた解釈仮説の内容をまとめた人物像を記述でき る。
※学習課題の時間欄には、指定された学習課題に要する標準的な時間を記載してあります。日々の自学自習時間全体としては、各授業に応じた時間(例えば2単位科目の場合、予習2時間・復習2時間/週)を取るよう努めてください。詳しくは教員の指導に従って下さい。
授業明細
回数 学習内容 授業の運営方法 学習課題 予習・復習 時間:分※
1 心理検査・投映法・テストバッテリーの概説 講義とディスカッション 講義内容の復習 60
2 ロールシャッハテストの概説 講義内容の振り返りと小テスト課題の確認 講義とディスカッション 自己点検 予習:教科書①講義1と2を読む 課題:小テスト課題の作成 60 60
3 実施方法の解説とロールプレイ 講義と演習、ディスカッショ ン 予習:教科書②講義1を読む 復習:実施方法の注意点について まとめておく 30 30
4 コーディングの解説と演習 講義、演習とディスカッショ ン 予習:教科書①講義3〜10を読む 課題:自分の反応をコーディング する 60 60
5 コーディングの解説と演習 講義、演習とディスカッショ ン 予習:教科書①講義3〜10を読む 課題:自分の反応をコーディング する 60 60
6 ロールシャッハ・テストの実施 ペアでの実習 予習:実施方法の留意点を確認し ておく 課題:反応の記録の完成、反応の コーディング 30 60
7 自分のプロトコルのコーディング 構造一覧表の作成 講義と演習 予習:自分のプロトコルのコーデ ィングの疑問点を把握しておく 課題:コーディングの完成 30 30
8 構造一覧表の作成 講義と演習 予習:教科書②付録8を読む 課題:構造一覧表の完成 30 60
9 解釈の解説 実施から解釈までの手順の振り返り 講義とディスカッションと  自己点検 予習:教科書②講義2、3を読む 課題:自分の解釈戦略を調べ、各 クラスターのステップを読む 30 30
10 事例検討による解釈解説(教科書の事例) 講義とディスカッション 予習:教科書②講義3を読む 課題:自分の結果との比較を行う 60 60
11 事例検討による解釈解説(教科書の事例) 講義とディスカッション 予習:教科書②講義6〜10を読む 課題:自分の結果との比較を行う 60 60
12 事例検討による解釈解説(教員の提示事例など) 講義とディスカッション 予習:事前に配布された資料を読 んでくる 課題:自分の結果との比較を行う 30 30
13 事例検討による解釈解説(教員が提示事例など) 講義とディスカッション 課題:自分の結果との比較を行う 30
14 事例検討による解釈解説(教員が提示事例など) 講義とディスカッション 課題:レポート、ペアで実施した プロトコル、小テスト課題を完成 し提出する 60
15 ロールシャッハ・テストのフィードバック 授業全体の振り返り 講義とディスカッション 自己点検